FLAIR for the GOLD | HWD+e

FLAIR for the GOLD

 第一次政権時のフレアーは、32歳の若きキング。同世代を蹴散らして世界を通ったフレアーは、世界チャンプとして、先輩王者をチャレンジャーとして迎えることになった。ここ20年程は、殆ど自分より年上のレスラーと戦う機会のないフレアーだが、かつては世界王者として、歴戦の兵達の挑戦を受けるフレアーというのは、かなり魅力的な構図だった。


 フロリダではフィギュアフォーの先輩、元王者ジャック・ブリスコを、パンチとフォーアームスマッシュで迎撃。コーナーへ飛び込んでくるブリスコを、ダブルニーバットのラフで退けたという。


 同じくフロリダでは元王者DFJに、以降フレアーの専売特許になろうという、ロープに脚を掛けてのエビ固めで苦しめられた。若き王者の時代、あのフレアーが、より老練だった元王者に、そんな反則テクニックでいたぶられていた過去があったというのが、今となっては何とも面白い。その後ベンワーやエディ・ゲレロに受け継がれていった、サイドスープレックスと言われたフレアースタイルのバックドロップは、ドリーが原産だ。


 ジョージアでは、正義の白覆面ミスター・レスリングⅡこと、ラバーマン・ジョニー・ウォーカーの、アマレス仕込みのテクニックと18番技、ボストンクラブに耐える日々。フレアーも若い頃、レスリングⅡそっくりのニーリフトの使い手だった。レスリングⅡのニーリフトに回転して吹っ飛ぶそのバンプは、ツイスティングトルネードに回転して吹っ飛ぶMr.PやHBKに伝えられたはずだ。


 ジョージアのアイドル、王者としては先輩のワイルドファイア・トミー・リッチとは、90分タイムリミットマッチを75分過ぎ、タイツを掴んでのエビ固めで、命からがらの防衛をした。アイアンマンマッチの原型がここにある。


 おそらく最も苦しめられたレイスからは、ワフー・マクダニエルからチョップを盗んだように、額へのニードロップを仕入れた。それは今日、トリプルHに受け継がれてもいる。ダブルアームスープレックスとキャップサイズバックブレイカーも、レイスから拝借した。田園コロシアムでやったスーパーエキシビジョン。今でもライヴのセミファイナルにはこれが模範になると、信じて疑っていない。


 エルボースタッブのやり方は、ヴァレンタインよりもダスティに似ている。84年頃までのフレアーは、チョップよりもエルボースタッブを愛用している。


 若き日の見せ場だったジャンピングエルボードロップの、そのハイジャンプの助走は、この技の名人ディック・マードックに、一番近いフォームを見せる。


 ケリーVエリックからタイトルを奪回したロールアップは、セントルイスでオコーナーから学んだ。セントルイスでオコーナーを破った一戦は、フレアーの出世作として、かつてはよく取り上げられもした。


 若い王者がヴェテランの津波から、死に物狂いでタイトルを守る風景。そこから獲得していく老獪。そしてダーティエストプレイヤーインザゲーム。王者としてもまた、全てを見せ、全てを楽しませたリック・フレアー。チャンプもまた、成長し、それを問うて行くものだと、プロフェッサー・フレアーはおっしゃっている。


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