WCW & its titles (8) | HWD+e

WCW & its titles (8)

<前回から続く>


 豪華なチャンプ陣。オリジナル・ワンマンギャング・ロン・ガーヴィン、オールアメリカンボーイ・ボブ・ループ、ダスティ・ローズ対ターリー・ブランチャード、そしてダブルAにスタニング・スティーヴ。ジェリコにベンワーにブッカーT。ロード・スティーヴンにビューティフル・ボビー。約20年に渡って、米マットを華麗に彩った。しかし突然、2000年の春頃に、クレイジー・ジムを最後のチャンプに、消えた。


 消えたのはルッソのカオスの時代で、ジャレットにすべてを賭けるという政策のもと、リスク回避のために敢えて、シドからタイトルを取り上げるというあからさまな暴挙をした時と、同時期。


 AOLタイムワーナーはあの時代もう、WCWの売却先の検討に入ってたろうし、TBSで放送しなくなるとならば、TBS放送で始まったワールドTVタイトルはすでに整理の対象のリストになっていたろう。改めてワールドTVタイトルとは何だったかというなら、それは、テッド・ターナーのネイションワイド・ケーブルTVでWCWの親会社、TBSでの放送を機に誕生した新概念のワールド・タイトル。そしてWCWとは、WTBSで始まった番組名で、TBSがつくったレスリング・カンパニーの名前。つまり、WCWとはTVそのものであり、ワールドTVタイトルとはWCWそのものを象徴するものだった。


 WCWには本物のワールド・レスリング・タイトルがあったが、ワールドTVタイトルはそも、そのWCWの前段階で、ワールド・タイトルの代わりを務めたスペシャルドローイング。そしてWCWは時として、ワールド・タイトルとWCWタイトルを共存させた。そして実は本来は、WCWタイトルと世界TVタイトルは、同根。ルッソにそれが分かっていたかどうかはともかく、WCWはシドからWCWタイトルを、世界タイトルからスプリットした上で取り上げ、WCWタイトルと世界TVタイトルを同質だとした上で合流させ、結果TVタイトルはあの時消えたのではないかと思うのだ。世界TVタイトルに正式にWCWタイトルと名乗らせ、世界タイトルとして史実に加わらせるために。


 だから、シド以降、ジャレットやアークエットが就いたタイトルは、スプリットされた方のWCWタイトルの方であり、つまり、あの時無くなったTVタイトルの方だという論理。なぜならTVタイトルの方こそ、WCWが自由に出来るWCWタイトルそのものだったからだ。WCW、ましてやルッソなどに、本物の世界王者からチャンピオンシップを取り上げる権利はない。to be the MAN, you gotta beat the MAN, whoooh である。公的タイトルは、リング上のピンのみでしか移動しない。


 Z-MANやマイケル・ウォールストリートやMr.#1ダフルの歴史はどこへ行ったか? スコット・スタイナーがWCWチャンプの時に、スティル・ワールドチャンプのシドの、ワールド・タイトルと併されたと考えればいいのであろう。だから世界TVタイトルも、SDの世界ヘヴィー級の中に収められている。


 言ったように、シモンズやヴェイダーの持っていたWCWタイトルは、緊急で困って、慌てて作ったタイトルだ。しかもWCWという会社だけが認定するタイトル。実体は、ワールドTVタイトルそのものだし、ワールドTVタイトルの方が歴史がある分だけ、ベターとすら映る。


 フレアーは、オレがWCWであり、オレがレスリングだと言った。フレアーがレスリングだということに異論があろうはずもないが、WCWを代表するともいうべき、その象徴的人物は誰かと問われれば、それは世界TVチャンプとして、“WCWタイトル”に実質最長期間輝いた、アーン・アンダーソンであると、我々は答える。WCWがホースメンの国家であり、ホースメンがフレアーと世界王座を守って来た騎士団であるならば、WCWは、“ペイルライダー”に率いられた軍隊だったと思っている。


 WCWとそのタイトルズという題目で長々と書いてきたが、取り合えずそんなところにまとまった。別に結を出すためにやってきたわけではなかったが、結果頷けるハナシだったとは、思わないだろうか。


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