WCW & its titles (6)
フレアーと世界ヘヴィー級タイトルを無視して、ルガーとウィンダムの間でタイトル戦をやったVPジェイムズ・ハード・・。彼のように、レスリングのタイトルなど、勝手に作れると思っている者がいる。それは時として悲劇にも、レスリング・カンパニの中枢部に。悲しいことにレスラーの中にも、そして、ファンの中にも。だからこそレスリングのタイトルというものは、然るべき人物が然るべき方法で、しっかり管理しなくてはならないのだ。
世界王者フレアーのために国家をあつらえたホースメンと、91年のバッシュで、ターナー親分のTVをジャックまでしたそのナイツ。そこにレスリングの歴史を誰がどう守って来たのかの、実際を垣間見れる。
ナザレの血脈を守っていたというテンプル騎士団。ザ・フォア・ホースメンは、あのベルトとほぼ同時に世に現れ、ベルトをフレアーにとどめおくために闘った。Ⅳホースメンとは、ヨハネの黙示録に出てくる、終末の四騎士のことだが、世界王座を守る結社の存在を匂わせてもいた騎士団をも暗喩した。古来から、秘密結社名に用いられて来た騎士団という“ギミック”。4本指を立てるポーズは、ライオンの握手のようであり、ポケットの三本指のようでもあった。
WCWは、世界王者フレアーとホースメンとそのナイツ達の、世界タイトル主義国家。そしてホースメンとともに現れたあのベルトは、ホースメンの出現よりも以前からあったホースメン様結社の、世界タイトルに対する考え方を具現化したものだった。敢えて言うならあのベルトは、ホースメン・ヘヴィー級タイトルのベルトだ。いろいろな呼ばれ方をしたあのベルトの、ずっと変わらない、彼らの呼び名がそれであろう。
Ⅳホースメンがなぜ出現したかと言えば、それはやはり、ハルクの台頭と戦うためだった。世界王者フレアーより、ポピュラリティを持つに至ったサンダーリップス。WWFチャンプとなり、現実のマットワールドでも、世界王者振り始める。サンダーリップスは即ち、ポピュラリティがイメージする、架空のプロレスリング王者。現実のホーガンは当時、ボックウィンクルに決して勝てなかった。それはとりもなおさずレスリングファンが、ハルクの技術を、世界王者のそれではないと判断していたことによる。いつも乏しかった、ホーガン対ビッグ・ジョン・スタッドの内容。ホーガン対キングコング・バンディは、マニアのメーンとして、レスリング界を代表されるにはとてもキビしい一戦だった。
Ⅳホースメンは、映画から続くポピュリズムの影響下から、レスリングのワールドチャンプの良好な環境を維持するために組織された。黙示録の四騎士の名を借りて、サンダーリップスを知恵ある者が解く数字に見立てて。我々が提出しているレスリングのチャンプは、そちらでは決してないぞ、絶対に見紛うな、と。
Ⅳホースメンは突然現れ、初めて、そして唯一、フラターニティと形容されたレスリング・グループ。俺達がレスリングス・エリート・オーガニゼイションだと名乗った。世界王座とその王者フレアーを守る、後のWCWのVPオレィ・アンダースンと、後のタイタンのVPJJディロン。初めてUSAネットを取りつけたターリー・ブランチャードと、若きエンフォーサー。この5人は、例えばボビー・ヒーナンなどが、商業的理由で組織したファミリーとは違う。以前より在りしインヴィジブルエンパイアから浮き出て来た、レスリングの歴史的な文化を、最も高次で保持する、レスリング界の最もコアと目される5人による、精神的な結束が透けて見えた、騎士団的結社だった。それをリアルに感じさせたからこそ、これはギミックとしてもクールだった。だから受けた。我々もそのつもりで、四本指に参加した。
ホースメンが出現しなければ、WCWはあったかどうか。ハードのパニックを、止められたかどうか。そしてNWOもDXも、勿論エヴォリューションも、出現していなかった。我々自体、レスリングにここまでのめり込めたかどうか。サンダーリップスは一般のファンを業界に取り込み、レスリングをインダストリと言われるまでにした一助をしてはくれた。しかしレスリングのゴールドを守ってきたのはホースメンだ。それは間違いなく言える。
ホースメンは、99年の3月、ケンタッキーのアンセンサードの金網の中で、フレアーがハルクを倒し、黄金のベルトを奪回し、NWOを潰した後、遂に消えた。あれ以来Ⅳホースメンは、リビルドされていない。しかし、“フレアーカントリ”でショーがあれば、今でも必ず、4本指を立ててフレアーを応援するナイツ達が見つかるように、Ⅳホースメンの息吹は、今も生きている。“ホースメン”は85年以前からあり、今も在るのだ。フレアーと世界タイトルに何かあるならば、今後も何時でも立ち上がるだろう、91年のバッシュの時のように。 <続く>
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