WCW & its titles (5)
<前回から続く>
WCWでは、フレアーが実質的にチャンプを降りた後、ハルクのエラがあったわけだが、この頃、WWFではハートとHBKがタイトル戦線を賑わせ、WCWとWWFの、意義の逆転があった。ここでWCWの存在意義も無くなったかと思われた。
レッド&イエローのハルクスター時、WCWが最もWCWらしからぬ時代。実際ハルカマニアは、WCWではヒートしなかったと言っていいと思う。そう、WCWのフレアーのファンが、ハルク対ヴェイダーなどで、納得する訳がないのである。WCWでのハルクは、フレアーのエネミー#1としての立場以外では、大したプロダクティビリティを出せなかったように思う。史上最低と言われた、94年のスターケード。チャレンジャーのブッチャー・レスリーには、挑戦者たる資格もなかった。そして、或いは故からか、NWOに雪崩れ込んで行く。
現実的に、主に、nWoと対峙したのは、闘わないスティング、だったが、nWoの宗教色は、フォア・ホースメンに敵対するギミック設定だったことは、言うまでもない。バビロンを表現したい軍団だったのは間違いない。黄金のベルトに黒のペイントスプレーを吹きかけて、乱れた秩序を新しいと売り物にし、スゥイーートな、トラディッションバイトなものに、4ライフした。でもそれが、ハルク・ホーガンの、WCWにおける、ずっと変わらぬ見られ方だった。
NWOは一時的にヒートしたが、3年を待たずして息絶えた。最後は赤く塗られたベルトを、50歳のフレアーが、金網の中で、ハリウッドを殴り倒すことで奪還し、決着は見られた。ナイツ・オブ・ホースメンのヨハネ達が、最初からユメ見て書いたシナリオ通りの、アポカリブスの結末だった。NWOというバビロン現象の一環として行われたスターケードでの、勿体つけたスティング戦も世紀末マーチへの序章でしかなく、ましてや犬耳つくって跳ねてたKドッグも、付け鼻ではしゃいでいた⑥も、大勢に何の関係があろうはずもない、正におまけでしかなかった。
WCWのナイツ・オブ・ホースメン達がホーガンを呼んでやりたかったこと。それはただひとつ。バビロンの大王たるホーガンを、白い馬の人が沈めて、27冊目の聖典を閉じること。そうでなければ、終末の4騎士のストーリーは、完結もしないだろう。またそれが、フレアーとホーガンの世界王座をめぐる15年戦争に対する、ホースメン国家WCWなりの、解答でもあった。
WCWを終わらせたのは、ルッソだという人もいるが、それは表面的な見方に過ぎない。WCWが終わったのは、フレアーがチャンプを務められなくなり、WWFにフレアー・チルドレンが出現し、ホースメンのストーリーが終了し、27冊目の聖典が閉じられたからである。フレアーがチャンプの時代だったら、間違っても、ルッソなぞの出る幕自体がなかった。
ホースメンの国家WCW。レスリング史のある時期、世界王座はその生存をフレアーとホースメンに頼り、WCWは世界王者フレアーと世界タイトルを10数年に渡って守った。ジャレットは頑張ったが、世界王者が世界王者として振舞える環境があるのなら、そこがWCWInc.である必要は、必ずしもないのである。レスリング史のある時期、WCWはその必要を確かに渇望され、WCWはその意義をしっかりと果たした。そしてそれは役割を終えたがゆえ、終わったのである。
バビロン終えし後、見渡せば、千年王国がそこにあり、なのである。NWOもまた、リック・フレアー・ストーリーの中の一編に過ぎなかったと言える。
WCW建国と世界タイトル保守に大きな力を与えたホースメンであるが、だからと言おうかこのⅣホースメンというのも、あの黄金のベルトと、出現時期を一にしている。ホースメン解散からそろそろ9年。未だにカロライナなどでは、4本指を挙げるファンが途切れない。次はこの、フレアーとWCWに切っても切れない、ザ・フォー・ホースメンを見ていく。 <続く>
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