WCW & its titles (1)
大晦日のトリプルH戦、本当に負けるのではないかと心配していたネイチュアボーイだが、まずは延命に一安心。しかしネイチュアボーイのリタイアストーリーは始まっているという。我々は、我々の偉大なキングのキャリアの一ピリオドに、黄金のベルトを欲したい気持ちがある。
勿論今のフレアーに、まともなキングピンが務まらないことは百も承知ではある。しかしそれでも、フレアーの大事に、あのベルトは切り離せない。あのベルトはフレアーによって世に現れ、一時はフレアーに帰属するとまで言われたベルトなのである。
複雑に凝らされたデザインと技巧。大きな黄金のプレート。品格と豪華さを兼ね備えた、この業界を立派に代表してくれるキングピンの象徴。ほかのスポーツに目を向けてみても、史上類を見ない美しさを誇るこのベルトは、純粋な美術品としての価値も高い。
あのベルトは、86年の2月に、おそらく、JCPが、NWAからのキックアウトすら念頭において作った、NWAのロゴのない、歴史的に正統な世界ヘヴィー級タイトルであることのみを強調したベルトだ。デザインと制作費には、フレアーの私財が投入されたとも言われている。22年間変わらぬベルトというのは、レスリング史上でもおそらく初で、それだけでこのベルトの完成度がうかがい知れる。
ボックウィンクルのベルトのように大きく美しく、しかも純金。フレアーが実現せしめた究極のベルト。レスリングファンの夢の具現。この理想的スタンダードもまた、フレアーによってもたらされたものだ。
このベルトについては、「ワールドヘヴィーウェィトタイトル」の頁で書いているので、概要はそちらに譲るとして、今回は、このベルトも一時期確かに名乗った、「WCW世界タイトル」について考えてみたいと思っている。同時にWCWについても。WCWは、ひとつの重要局面を迎えたフレアーにとって、あのベルトと同じように、切っても切れない関係にある。
WCWタイトルが出来た時のことを、憶えているだろうか。バッシュ90ニューレヴォリューション。フレアーがスティングに小包まれ、あのベルトがペイントレスラーの腰に巻かれることになった、衝撃的瞬間。しかしすかさず、ニュージーランドのスティーヴ・リッカードから注文が付いた。「NWAは、引き続きフレアーを、世界チャンプと認めています」。一説では、フレアーらが、リッカードにやらせたのではないかとも言われている。ビジネスマンとやらのジェイムズ・ハードは、ここで初めて、レスリングの世界タイトルの何たるかを知らされる。それは、独占出来ない性質にあるものなのだと。
まだ、旧アライアンスの生き残りが頑張っている時で、名前だけは、かつての大NWAが生きている頃の話。NWAが、世界ヘヴィー級タイトルを共同運営する権利が、まだわずかに残っていた、微妙な時代。
我々はともすれば、それをNWA世界タイトルとかWCW世界タイトルなどと呼び、タイトルを団体先行で見る傾向がありがちだ。しかし正しくは、団体組織が、正統なタイトルの史脈の上に乗っていると考えるのがコモンセンス。特にそれが歴史的に正統な世界ヘヴィー級タイトルともなれば、団体が勝手に作るとかというのはありえない。
フェデレイションを作り、そこがフェデレイションタイトルを運営するというのは理屈だ。中央銀行が、ハードカレンシを扱うのと同じ。しかし錬金は出来ない。ダイアモンドなどを精製出来るのも大自然だけ。だから貴いと書く。
で、WCWとは何だったか。WCWとは、ワールドチャンピオンシップレスリング、つまり・・ <続きは次回に>
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