Merry X-mas, Mike Davis
クリスマスミュージックが街を駆けるこの季節、クリスチャンであるかどうかはさておくとしても、リック・フレアー主義者である以上、ナイツ・オブ・ホースメンであるということは避けられず、か。
聖典27冊目。認めていない派もあると聞く。4HもNWOもアーマゲドンも、ここを開いてやって来た。
神が7日間で造ったからこの日なのか、ではなぜオクタゴンは10角形ではなく、フェブラリは28日しかないのだろう。ナザレがメシアだという証拠は・・・バスチャン・ブーガーの二の舞は御免か?
25日は言わずもがなの、クライストミサの日であるが、我々にとってはそれとは別に、マイク・デイヴィスが天に召された日でもある。6年前のこの日、元サザンタグチャンプ、マイク・デイヴィスは死んだ。
ジョージアの若武者。ハイスクールアスリートとしての実績。マイク・デイヴィスは南部の軽量級戦線で頭角を現す。日本でカブキの相手にも指名され、オオニタのNWAIタイトルにも挑戦した。フロリダではケヴィン・サリヴァンのダンジョンで、ダスティ・ローズのニセモノギミック、ザ・ドリームで、ジ・アメリカンドリームとフュードまでした。
ダスティ・ローズと一端のフュードまでした男を、いくら世界王者相手とはいえ、ジョバーに起用するのはいかがなものだったのだろうか。プロレスリングUSAの不思議なプロモカード、フレアー対デイヴィスのノンタイトルマッチは、意外にも、観客を沸かす好勝負になった。アマレスムーヴでフレアーと互角以上に渡りあったデイヴィスは、鋭いフライングドロップキックで王者を吹っ飛ばし、力強いパンチで王者をキリキリ舞いさせた。そして、最後はあっけなく、負けた。
不思議な一戦だった。同じ日に、後にロックンロールRPM'sというタグティームを作るトミー・レーンもフレアーにあてがわれたが、こちらは首尾よく、スカッシュマッチを完遂させている。デイヴィスの序盤の食い下がり方と、あっけない負け方のコントラストが、異様に映る一戦だった。
多分あの一戦は、色んな意味で失敗だった。王者フレアーは、ああいう類の一戦に使用する以上のエナジーを強いられ、デイヴィスはおそらく注意され、ファンは好勝負を見損ねた。当時の感覚で言えば、あそこでフレアーにデイヴィスをぶつけるのは傾首だったし、デイヴィスが実力通り戦えば、フレアーとも立派に戦えるのは当然だし、あっけなく負けたのは抜手が露骨だった。食い下がったことが次につながらなかったことも不自然だった。デイヴィスをジョバーロールに起用したマッチメーカーも、ジョバーロールを請け負ったのにもかかわらず、それを出来なかったデイヴィスにも問題はあるが、結局割りを喰ったのはデイヴィスだった。デイヴィスは、これを最後に、アメリカレスリングのメーンシーンから、見事に外れていった。
カンサス、テネシー、プエルトリコ・・。数年後、紅顔の若武者デイヴィスは、ロン・スター張りに凄みを効かせた、額傷のヴェテランになっていた。そして、マニアック・マイクに雪崩れ込んでいく。
ESPN、全米ネット。WCWにもWWFにもジョインしなかったゆえ、多くの人達にとっては、マイク・デイヴィスといえば、マニアック・マイクのことを指すのかもしれない。マーズ、マーズ、である。蛍光色のスチューピッドハット。しばらく下を向いて直視を避けた記憶もある。
ドミニカでフレアーを破り、チャンプになったと主張しているヴェネーノというレスラーを御存知か?トライステーツでフレアーに挑戦したポークチョップ・キャッシュという黒人レスラーを?ハワイでフレアーに挑戦したシバ・アフィは?斬味鋭いフライングドロップキックで、フレアーをロープにまで吹っ飛ばしたデイヴィスには、フレアーとフュードする資格すらあった。
最後の晴れ舞台は、おそらく、GWF・TVタイトル。マニアック・マイクとしてではあったが、流石のアマレスムーヴで、GWFあたりでは他を寄せ付けなかった。
フレアー相手に食い下がったのにもかかわらず、マニアック・マイクとして終わったデイヴィスのレスラー人生をどう思おう。ただ言えることは、彼が放った一発のドロップキックが、彼の死後、彼の命日近くに、極東の一人のファンに彼を想い起こさせ、こうしてログを書かせている実際があるということ。
これからもきっと、クリスマスが近づく度に、ブラウンブロンドのその髪と同じ色のタイツで繰り出す、あの日のドロップキックを思い出すのだろう。メリークリスマスだろうか、ミスター・デイヴィス。