アンチャンピオンシップ・ハスリング・フロム・ニッポン | HWD+e

アンチャンピオンシップ・ハスリング・フロム・ニッポン

 果してハッスルに対して、それをレスリングと捉え、我々が真顔であれやこれと言う筋にあるものなのかどうなのか。甚だ疑問ではあるものの、野暮を承知で、少しだけ言ってみる。


 これはハッスルなのだという。ハッスルする人達をハッスラーと言うという。ポール・ニューマンともモーターサイクルとも、リップ・ロジャースとも違うのだろう、おそらく。


 リング上で行われている内容について言う必要はないだろうし、また言うべきこともない。ただ、ハッスルを産み出した環境は、冷静に分析するに値する。日本プロレスリング何十年の、ある種の総括として。


 まず最初に、ハッスルはこの日本独特の現象だということを理解したい。カウフマンやシンディやロッドマンなど全然関係ない。どこでデファインされるかというなら、それは、ハッスルにはタイトルがないという一点についてだ。おそらくアメリカで、それがチャンピオンシップ・レスリング形態を執っていないオーガニゼイションは、史上、ただのひとつも無かったはずだ。タイトルマッチがひとつも無く、横浜アリーナクラスの会場を満員にする。我々チャンピオンシップ主義者の常識では、これが何をやっているのか、全く分からない状態だ。


 ハッスル、に、ルール、はあるのだろうか。あるとしたら誰が決め、どこへ向かうルールが。戦う、のだろうか。戦うとしたら何に対し、何を競い、どこへ向かって戦うのだろう。そもそも戦いのモチベーションは、・・ 何?


 ここではレスリングのタイトルの歴史について細かく言って来た。鬱陶しいくらいにこだわって来た。レスリングの伝統あるタイトルが好きだし、レスリングの歴史はタイトルチェンジの歴史だと思って来た。レスラーはタイトルに向かって精進し、ファンは、来たるべきタイトル戦の行方を語る。ボックウィンクルやフレアーは、タイトルを渡さないためにあらゆるトリックを仕掛け、マクマンはそれを守るためスクリュージョブまでやった。AWAもWWAもECWもTNAも、タイトル絡みのカオスの中から頭角した。レスリングは、タイトルによって作られてきた。タイトルによって作られた以外のレスリングなど、ひとつもなかったと言ってもいい。


 闘い始めたはいいものの、タイトルが無かったSWS。どこへ向かって闘い始めたのだろう。ただ互いを傷付け合うに終始したUWF。何のために延々と傷付け合ったのだろう。一方NOAHが最初にしたことは、不敗のTC王者の元に、タイトルを設置したことだった。


 タイトル無しに、横浜アリーナクラスでのショーを成立させた、日本のレスリング?オーガニゼイション?、ハッスル。でもそこでは、ダーティチャンプもタイトロープの仕様が無く、ダーティエストプレイヤー・イン・ザ・ゲームもダーティエストプレイの仕様が無く、ゲームもゲームの仕様が無く、モントリオールもスクリュージョブの仕様が無い。


 ハッスル相手に大人げないかもしれないが、でもそれが、日本プロレスリング何十年の、変わらぬ、レスリングへの接し方の象徴ではないかと思ったから言ってみた。つまり、日本の多くのファンにとって、タイトルなんて、あまり関係ないのだなということ。何かオモシロイものを観てカタルシス出来れば、レスリングとかボクシングとかキックとか総合とか、UWFもFMWも、あまり関係ないのだな、ということ。それならタイトルもルールも何も要らなかろう。むしろ邪魔ですらある。勝っても負けても何でもいいから、とにかくハッスルすれば事足りるのだ。ハッスル人気で、日本プロレスリングのコアが見える。


 学生プロ王者HG。学生プロというのも、日本独特の現象だ。女子だけのショーが4万人を集めたり、週刊専門誌が40万部も売れたり、日本独特の現象の向こうに、ハッスルが見える。


 ツァラトゥストラでサップがやって来る。エルガーが掛って総統が登場する。色んなものの上澄みすくってごっこを楽しむ?学生プロをプロがやっているという感覚も、今や薄れつつある。


 ギミックをメーンに2万を集める送り手と、ジョークを本質と理解している受け手。ここから何か新しいレスリング文化は生まれるか?それともこれは、相撲と柔道とカラテチョップと、16文とエンズイギリと金網の鬼と、UWFとFMWとプライドと、学プロと女子プロと専門誌が送る、日本マット文化の集大成か。


 Do the Hustleビックリマーク ♪♪♪・・・ ♪♪ ・・・・音譜。 大晦日は、同じ阿呆なら、ええじゃないか、か・・。振りを覚えれば、結構楽しい?


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