FFLL!! | HWD+e

FFLL!!

 カリートがもしTNAで仕切り直すことがあるなら、その際にはいくつか注文がある。


 まずバッククラッカーという技は、レスリングのフィニッシュとしては物足りない。ここはひとつ、親父の決め技、フィギュアフォーレッグロックを解禁して貰いたい。TNAにはネイチもいないし、JJも当面休んでいる。


 SD当初は、フジワラアームバーをフィニッシュにしていたような記憶もあるが、ネイチ、JJの技を、それに代わる者としてのカリートに期待しないわけにはいかない。これを使える言われもある。フィギュアフォーは南海の帝王家の伝家の宝刀だ。


 今でも、レスリングのフィニッシュの最高峰はFFLLだと思っている。キャッチのフィギュアフォーレッグシザースと、フリースタイルのアンクルターンを合成させた傑作技。レイ・スティールがそのプロトタイプを使い始め、ロジャースが完成させたと言われる。LAの白覆面インテリジェントセンセーショナルやエディ・グレアム、ボックウィンクル、ブリスコ、パワーズ、オースティン・アイドル、そしてジャレットへと受け継がれ、今でも、フィニッシュとしてのグレードを保っている。それは何よりこの技が、最もサイエンティフィックでかつ説得力とフラムボーヤンスすら有す、レスリング文化史上空前の、シュプレイム・マスターピースに他ならないからだ。


 ブリスコを育てたネイチュアボーイ・エディ・グレアムがNWAプレジデントの時代には、チャンプを目指す若いレスラーはほぼ全て、フィギュアフォーをフィニッシュに選んだ。グレアムの息子マイク、ジャックの弟ジェリー、バーネットの秘蔵っ子スレーター、ファンク一家の新星デビアシー、ジョニー・ヴァレンタインの息子グレッグも、親父の宿敵ロジャースの技を取り入れた。ボックウィンクルの首を狙うAWAでも、ハイフライヤーズ。MSWAの新鋭テリー・テイラー・・。


 グリーンズボロでのUSタイトル戦、フレアー対ヴァレンタインなど、エルボーとヴァーティカルスープレックスとフィギュア4のやり合いだった。セントルイスでのミズーリ・タイトル戦、フレアー対デビアシーでも、タンパでの世界タイトル戦、フレアー対マイク・グレアムでも、フィギュア4の掛け合いだった。ブリスコがフレアーに挑んだ世界戦でも。バーミンガムで、オースティン・アイドルがフレアーに挑んだ一戦でも。サンファンで、カーロス・コロンがフレアーと闘ったケージマッチでも。主要タイトル戦では、フィギュア4が主役で、それでもマッチは成立し、面白かった。


 HBKはカリスマティックで、リック・フレアーのレプレゼンタティヴを見事に継承してくれたとは思う。しかし、フィニッシュがアダムスの技で決まるのだけは、いつも甘詰と感じてしまう。トリプルHのペディグリーも、誠によくできた技とは思う。しかしこの二人にこそ、フィギュア4で構成する濃い世界が、フレアーファンとしては、誰よりも期待するところなのだ。


 HBKが一時、フィギュア4をシグネチュアにしかけた時は、どんなに心踊ったことか。HBKとゲームの死闘が、フィギュア4で織り成されたものであるのなら、そこには聴こえて来る、セントルイスでのフレアー対デビアシーの、ファインアートととしての、透き通った純粋なレスリングの旋律が。


 カリートが・・・まぁ、気の早いハナシでは、あるのだが・・。



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