今日は何の日
9月17日というこの日は、何の日だと思われようか。実は26年前のこの日、かの16タイムス・ヘヴィーウェィト・チャンピオン・オブ・ザ・ワールド、ネイチュアボーイ・リック・フレアーが、ダスティ・ローズを破り、初めて、世界を制した日なのだ。81年9月17日、カンサス州カンサスシティ、メモリアルホール。偉大な王者のはじめの一歩の日だ。
ところが、この記念すべき日の記念すべき一戦の内容を知っている人というのが、実はほとんどいない。王者フレアーの、タイトル奪取としてよく用いられる映像は、83年11月の、スターケードのレイス戦。フレアーがトップターンバックルからのダイヴィングクロスボディを決めて、アンジェロ・モスカやブライアン・アディアスらに祝福される有名な映像。これは誰でも知る一番だ。
しかし最初の奪取こそ、今や史上に名を輝かす、16タイムス・チャンプにとっては重要な記録というもの。これが紹介されないというのは、なんであれおかしくはないか。
実はこの記念すべき一戦の映像は、無いのではないかと言われている。これだけではない。ミッドアトランティックのUSタイトル戦なども、ほとんどyou tubeなどに載らないことでも分かるように、リック・フレアーの78~82年くらいまでの主要な映像は、ほとんど無いと言われているのだ。
今では信じられないことだが、当時、TVマッチというのは、ジョバー相手の宣伝がほとんど。本番はハウスショーのライヴのみ。ラーレイの小さなスタジオで煽りを収録してU局で流し、シャーロット・コロシアムやグリーンズボロ・コロシアムを満杯にするためだけの素材として利用して来たに止まるのだ。シャーロットやグリーンズボロのタイトル戦には、通常おそらくカメラは、入っていなかったのではなかろうか。入ったところで、タイトル戦をただで見せるわけにもいかない。ホームヴィディオも、ましてやPPVなど全くない時代のことなのだ。
他のNWAのテリトリも、ビッグショーはライヴで有料で観せることこそ命綱だったから、TVには頼らなかった。DVDになっているもののほとんどは、ネイションワイドケーブルが一般化した後の、83年以降のものだ。フレアーの、容姿的には全盛期と言われた第一次世界政権の21ヶ月間及び、USチャンプ時代のきれいな映像は、ほとんど見つけられたことはない。若き日のフレアーの、スーパーハイジャンプの効いたジャンピングエルボードロップを見たことのある若いファンは、ほとんどいないと言えると思う。
81年9月17日、カンサスシティ・メモリアルホール。だからフレアーが、どのようにしてダスティを倒したかを知るファンは、ほとんどいないと言われている。キレイなフィニッシュではなかったとも聞いている。一説ではごちゃついた中、フレアーが丸め込んだとも。また別の証言では、フィギュア4で痛めつけられたダスティが、ヴァーティカル・スープレックスをしくじり、フレアーがそのまま体を浴びせ、ロープに脚を掛けてピンしたとも。或いはフレアーが、ヴァーティカル・スープレックス一発で仕留めたとも。
81年9月17日、カンサス州カンサスシティ、メモリアルホール、ダスティ・ローズvsリック・フレアー、タイトルチェンジ。ダスティの地元でも、フレアーの本拠地でもないところで起こった、歴史的なタイトル移動。前月のキールで敗れていたフレアー。5月のミズーリ・タイトル戦でも完敗していたフレアー・・・。不思議なタイトルチェンジだったからこそ、記録は残されておくべきだった。偉大な王者の記念すべき日を語ろうにも、肝心のことが今では何も分からない。
61年のコミスキーパークの映像はある。もしかしたらこれらもあるのだろうか。春に出たⅣホースメンのDVDも10万本以上を売り上げたという。第一次政権時代とUSチャンプ時代のフレアー・・・それ以降やめた蝶の刺繍のタイツとジャンピングエルボードロップで織り成す対スヌーカやヴァレンタインやブリスコやウォーカーとの戦い・・・あれはある意味4H時代以上だ。
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