NWAタイトル・トーニー?
NWAが新NWAチャンプ決定トーニーを準備中だ。ブレント・オルブライトやカール・アンダーソンらがプロモで吠えている。本命はアメリカン・ドラゴンだという。まだ詳細は分からないのだが、TNAからNWAタイトルが引き揚げるのは時間の問題らしい。
現在、TNAにあるNWAタイトルを、そもそもどう診るのか。NWAワールド・ヘヴィーウェィト・タイトルと、そう言われて、素直にNWAタイトルを世界タイトルだと合意していいのか。現在のNWAタイトルの歴史を改めて、検証する時が迫っている。
NWAのオフィシャルサイトを訪問するなら、歴代王者がお出迎えしてくれる。テーズ、DFJ、レイス、ローズ、フレアー‥。確かに彼らはかつて、NWAのチャンピオンと呼ばれていた。しかしその歴史は、現在のNWAに直結するものだろうか。オフィシャルサイトの玄関ページでフレアーが持つベルト。そのデザインは現在クリスチャンが持つものと一緒だが、同じなのは外見だけ。実質的には違うタイトルだということは、かつての王者フレアーのファンなら、誰だって知っている。今のNWAのオペレーションは、ベルトの姿形だけ同じものをあつらえ、レイスやローズをサイトに配すことで、意図的に混乱を与えようとしていないだろうか。
90年と91年の7月にリッカードが執った行動を支持する。92年のワッツの選択も、それしかなかったと理解出来る。93年8月のNWAの対応も、ジェントルマンのそれだったと思う。しかし94年にECWでやったトーナメントは、間違っていた。その後に続くコラーゾ等の闊達を許したことはそれに輪をかけて。
48年発進の歴史への敬意を最大限に払い、94年から04年までのことを不問に伏し、NWAタイトルを特別なタイトルとして認めてもいいと思う。しかし、世界タイトルを名乗るのは間違っている。それはそれこそ、フレアーやレイスの栄光を宣伝する、その栄光の時代にNWAが執っていた態度と、矛盾する見解だと思うからだ。ここまで来れば、TNAが独自のタイトルを持つのは自然な成り行きだろうし、それはNWAタイトルの流れを汲むものとなるべきだとも思う。しかし、それだから今のオペレイションが、新しくNWAチャンプを決めて、それを世界と名乗らせるというのは、間違ってもいるし、大体実体にそぐわない。
コラーゾ以降のオペレイションが、何とか踏ん張ったからこそ、ジャレットとTNAはここに来た。WWAやWWSでは立ち行かなかっただろうことにも納得する。NWAは以降のレスリング界にも依然必要な、デモクラシーの一車輪だとも思う。しかしブライアン・ダニエルソンがワールド・チャンプだというのは、かつてのレイスやフレアーの栄光をむしろ傷つける。NWAは過去の経緯を正直にコンフェッションし、だからNWAは今はワールド・タイトルは持てない旨、そしていずれはワールド・タイトル問題に決着をさせるべく、WWEとも何らかの交渉を持つ用意がある旨、これらを明刻した上で、SDのベルトを世界タイトルだと認め、NWAタイトルから世界の2文字を自ら削り取るべきなのだ。かつてWWWFにそれを強いたように。
WWEがかつてNWAのメンバーだった時代、WWFタイトルは準世界タイトルとして特別視され、その存在を尊重されていた。NWAタイトルにも、我々はその視線を送る準備はある。しかしそれは現在のNWAが勇気をもって分をわきまえ、世界を名乗るのを止めた時に初めて適用される儀だ。我々は勿論、クリス・キャンディードをグッド・レスラーだったと評価している。しかしキャンディードはあの時、フレアーにもホーガンにも、ダグラスにすら勝った訳ではない。現在のNWAタイトルはそこから始まったのだ。彼らも誇る王者フレアーは常々こう言っていた。「to be the MAN, you have to beat the MAN.」と。世界王者になるには、世界王者を倒さねばならない。我々はフレアーのこの成句を、くれぐれも正しく理解しなくてはならない。
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