韓国映画「群盗(ぐんとう)」の時代は李氏朝鮮25代王哲宗(チョルジョン 1831-1864 在位1849-1863)の頃の設定。
19世紀半ばですから、日本だと先週のNHK大河「花燃ゆ」に14代将軍徳川家茂上洛してましたが、ちょうどその頃のお話ということになろうかと。カン・ドンウォン君の除隊後の復帰作ですね。
スタントなしで頑張ったそうです。


カン・ドンウォン君、悪役なのですが、終始美しいです。
お顔ちっちゃいですし、武芸十八般を修めた凄腕の武官役なので、剣さばきも流れるようによどみなく、
舞うが如く美しいです。
お腹と頭の中は真っ黒なんですけれど(笑)

「群盗」137分と長いのですが、そんなに長くは感じませんでした。
ユン・ジョンビン監督がまだ30代なのもあったからなのか、映画全体、躍動感あるつくりな気がしました。


序盤の音楽は、エレキギターが効果的に使われていて、荒野の砂塵とともに、ウン十年前に流行ったマカロニウェスタンを思い出させました。
中盤以降はオーケストラ中心の重厚な音楽に変わっていきましたが、エンドロールで順番に流れていく時、場面場面が浮かんできました。

アクションは、泥臭さと洗練された技のぶつかり合いで、所々小技も入っていて、飽きさせることなくよかったです。

また、美しきカン・ドンウォン君ゆえに、はっとする演出もあり、カン・ドンウォン君ファンの皆様には見ていただきたい作品です。

画面は終始暗く、拷問シーンや、血なまぐさいシーンも多いですが、R15なので、まだ、ましです。

カン・ドンウォン君、メロなしですが、孤独感や両親からの疎外感を印象付けるには、やはりいらなかったと思います。

5つの章に分れていて、時や場所の切り替えもスムーズに頭の中で、できました。



他の登場人物も、個性的です。
イ・ソンミンさん、よく通る声も素敵で、やっぱり光ってました。
チョ・ジヌンさん、アクション映画なんですが、頭脳労働担当です。
おっちゃんのほうのチュ・ジンモさん、後任の悪徳役人、憎らしいです。
イ・ギョンヨンさん、盗賊団のお坊さんなのですが、50代半ばなのにアクションシーンも多くて、頑張ってるなぁと思いました。
マ・ドンソクさんもハ・ジョンウさん同様ありえないのですが、20歳くらいの設定で、弓の名人のユン・ジヘさんとメロらしきシーン、ちょっぴりありました。
ソン・ヨンチャンさん、
カン・ドンウォン君のお父さんの役なのですが、最後まで自己中で、憎らしかったです。
チョン・マンシクさんは、
カン・ドンウォン君付きの執事で、主人のために忠誠を尽くしていたと思います。
キム・ビョンオクさんもちらりと出てきます。



★武官チェ・ユン役

カン・ドンウォン/姜棟元君 プロフィール


 

★トルムチ(トチ)役

ハ・ジョンウさん プロフィール

 

★盗賊の首長デホ役

イ・ソンミンさん プロフィール

 

★怪力チョンボ役

マ・ドンソクさん プロフィール

 

★弓の名手マヒャン役

ユン・ジヘさん プロフィール

 

★両班(ヤンバン)出身盗賊イ・テギ役

チョ・ジヌン/趙震雄さん プロフィール 


★羅州牧使ソン・ヨンギル役

チュ・ジンモさん プロフィール 


★幼いチェ・ユン役

ナム・ダルム(2002年生)君 プロフィール


★7人武官2役←2020・5・21追記

チェ・グィファさんプロフィール

 

★チョ・ユンのの奴婢2役←2021・3・18追記

ユン・ギョンホさん プロフィール

 




☆「群盗/原題:群盗:民乱の時代」군도:민란의 시대
2013(公開は2014) 137分 アクション時代劇

ここからあらすじ。
端折ってる部分多い割に、思いっきりネタバレ!
なので注意!!



天候不順で民は飢えているのですが、官僚のみなさんは、どんどん太っていくっていう腐敗した世の中。
カン・ドンウォン君の幼い頃はナム・ダルム君が演じていますが美少年です。

ナム・ダルム君は、地方長官が妓生に生ませた子どもなのですが、長官の正室には4人の女の子しかおらず11歳のある日妓楼に父の長官が迎えにきます。
美しい母は子どもとの別れを悲しむことなく、値段を吊り上げるような人です。

父は、イケメンの
ナム・ダルム君が文武両道に秀でていることを知り、かわいがります。
が…遅れて正妻に弟が生まれ、父に疎まれる存在になります。
それでも父に愛されようと一生懸命努力するのですが、立場が変わらないことを知り、絶望し、まだ赤ちゃんの弟を殺そうと思うのですが、バレて、母と執事がひどい目に遭います。

歳月は過ぎ去り
カン・ドンウォン君になったチョ・ユンは、庶子なので、都で武官になっていますが、歴代最強レベルの武人です。
ところが、家督を継ぐ予定の弟が突然亡くなり、急遽官職を辞して故郷に戻ります。
弟には身重の妻がおり、男子を出産すれば自分の立場はまた元に戻ってしまうんですよね。。。
不安定な状態の
カン・ドンウォン君、またまた不安です!
でも、何事もなかったように、父そっくりに冷酷であくどいやり口で民から搾り取り、父に認められようとするカン・ドンウォン君。


カン・ドンウォン君の家に、牛や豚の肉をさばいて届ける李氏朝鮮時代一番身分の低い白丁(ペクチョン)の男トルムチ役がハ・ジョンウさん。
登場した時、恐ろしいことに18歳設定^^;←行動が間抜けっちゅうか、幼いシーン盛り込まれていますが、無理無理!
妹ハン・イェリさんと母キム・ヘスクさんの3人で貧しいながらもほのぼのとする家庭で暮らしているのですが、主家の若主人カン・ドンウォン君に頼まれた仕事から不幸が始まります。

すべてを失い、命だけは生きながらえます。
そしてカン・ドンウォン君や腐敗した社会に復讐しようと、チリサン(智異山)を根城にするチュソルという盗賊団に加わります。

2年の歳月が経ちハ・ジョンウさん腕を磨いていきます。
スキンヘッドで、絶対20歳じゃないもんね~~~

その間に
カン・ドンウォン君は、さらに金集めにいそしみ、民をだまし、民の怒りを買います。

チュソルはずっと腐敗役人や近隣の強欲な両班(ヤンバン)を次々襲って民に食料をわけ与えているのですが、いよいよカン・ドンウォン君をターゲットにします。
ハ・ジョンウさんにチャンスきたんですよね。

計画を立て、いつも見事に実行してきた盗賊集団チュソルも、今回は
カン・ドンウォン君、頭いいし、勘もいいし、強いので多くの仲間を失います。
憎たらしさマックスです。
連れて行かれた仲間が処刑されようという時、殴りこみにいくハ・ジョンウさん。
1人じゃ無理なのでちゃんといいグッズを持っていきます。
ずっこいけど、多勢に無勢なんで、まぁ、しゃあないですね。

いよいよクライマックス。民衆の怒りも最高潮です。

カン・ドンウォン君とハ・ジョンウさんの一騎打ち。
竹林を走るシーンも戦うシーンも描写が美しいです。
激闘の末、悪人なので
カン・ドンウォン君は死を迎えるのですが、その原因が泣けるのです。
憎み続けてきた自分の身内、本当は恋しかったんです。愛に飢えていただけなんです。
だから極悪人なのに、死んですっきりとはなりませんでした。

残った
チュソルの一団は、馬を駆って荒野を去っていきます。


「群盗」、元町映画館で見てきました。
シニア(60歳以上の身分証明証提示で)、1100円。
火曜が女性1100円、水曜が男性1100円です。
レディースデーというのもあったかもしれませんが、そこそこ混んでいました。

29日の金曜までは「傷だらけのふたり」も上映中なので「群盗」と続けて上映中のようです。
「群盗」は6月5日まで。
6月6日からは、パク・ユチョン君、キム・ユンソクさんの「海にかかる霧」が始まるようです。


劇場など公式HP

映画『群盗』公式サイト


マカロニウェスタン風OST2分。ジャケットのみ

영화 군도 (Kundo) OST - 군도 타이틀 (`I ... - YouTube


3分半。カン・ドンウォン君とハ・ジョンウさん

「群盗」製作発表会"ハ・ジョンウ&カン・ドンウォンが ... - You


3分。

「群盗:民乱の時代」製作発表会 "フォトタイム" - YouTube 


予告2分。英語字幕。

Kundo Official International Trailer 1 (2014 ... - YouTube


予告2分

Korean Movie 군도 : 민란의 시대 (Kundo : Age Of ... - YouTube

 


過去記事ですが、上映予定および上映中のおまけ記事がついてます。

 

韓国映画「傷だらけのふたり/原題:男が愛する時」

 


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