見かけはホント普通のおばさんでしたが。
「……ぶつぶつ(最初は独り言かと思った)。本当に雨って嫌だわねぇ~?!」
「え?」
(昨夜降っていたので道は濡れているが、今は雨は降っていない。)
「いや、だから、雨が降ってたでしょ? 今まで。
だから道がこんなに濡れてて。嫌だわねぇ。」
「はい……。」
「“はい”って、あなた。別に私は先生でもなんでもないわよ?!」
「じゃあ、なんて答えれば良いのでしょう?」
「そりゃ~、私にはわからないわよ。(笑)」
「なら、僕には余計わからないですね。」
そこで信号が青になったので、僕は足早に歩き出した。
背中越しに、まだその声が聞こえる。
「ちょっと、またお話がしたいわね。
なんだか、心に残っちゃって……。
今度、またお話しましょう~」
背中越しに、そんな声を聞いた。
ゴメンね。
今日の僕は、、そんなに心の余裕がなかったんだよね。