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軍人さんは辺りを見回しながらジェジュンに言いました。
「もうそろそろ日が暮れるから、女性の一人歩きは危ないですよ。ここいらは治安が悪い」
「あ、いえ、僕は男です」
ジェジュンは慌てて言いました。
「えっ───」
軍人さんは驚いて、ジェジュンのことを髪の先から足の爪先までずいと見つめました。
「失礼。それでも、あ~、ゴホッ、君は気を付けた方がいい」
「そうなんですか?」
「ああ。特に今夜は無礼講の飢えた退役軍人だらけだ。男女問わず、君のように見目麗しい者は危ない。
すぐに町から立ち去るなり、宿をとるなりして身を隠した方がいい」
「………はぁ」
「それじゃ」
「あ、はい。お世話様でした…」
ジェジュンは去っていく軍人さんの背中にお辞儀をしました。
「………」
背を見送って、くるりと踵を返すとジェジュンの顔は少しにやけてしまいました。
───ボクが…
……見目麗しいだなんて…。
あんな素敵な人の目に…
…ボクがそういうふうに映ったなんて……
………。
「でゅふ。(///∇//)」
※この子は昔から容姿端麗でしたが何故か両親は長男と二男ばかりをプロデュースするため、あまり褒められた経験がありませんでした。
※でも自分では自分のことを美しいかも、と気づいておりました。
ジェジュンはもう一度、
──チラッ。
振り返って、軍人さんの歩いていく姿をコソ見しました。
背が高く、
手足も長く、
颯爽と歩む姿のなんと美しいこと──。
「………ん?」
ジェジュンが見惚れている間に、軍人さんは何人かの他の軍人に言い寄られ、そのたびに首を振り、手で制する仕草をしているのに気付きました。
「……何だろう」
興味が止まらなくなってきたジェジュンはちょっと近寄ってみることにしました。
コソコソッ。
(木の陰に隠れました)
会話が聞こえてきました。
「隊長!ずっと好きでした!今夜ボクを抱いて下さい!」
ヽΣ((◎д◎ ))/ナヌーッ!←JJ
「隊長は規範に則って軍隊生活中は禁欲しろと仰いました。でももう解禁です、どうかボクと付き合ってください!」
年下らしき軍人は涙ながらに懇願しています。
「ひゃーっ、(゚д゚;)だ、男性同士なのに…!…どうなるんだろう…」←JJ
腕に縋りつかれた当の軍人さんは至って冷静でした。
「悪いが断る。愛もないのにそういうことは出来ない。お前も早く故郷へ帰れ」
「───!」
簡潔明瞭なブロック、決まりました。
と、思ったのも束の間、振られた軍人の後から、別の軍人が現れました。
「隊長!自分も隊長に惚れてるっす!キスして欲しいっす!キスだけでいいっす!」
(°д°;)/これまたびっくり!!←JJ
これにも、隊長と呼ばれているらしい軍人さんは「ない!」と一瞥して撥ね退けました。
そしてまたすぐにその後から他の者が「隊長!一生のお願いです!」と同じようなことが繰り広げられています。
「はぁ~~っ!!!」
JJは面喰って木の陰にへたり込みました。
「すごい世界……」
あの人、ボクのこと心配してる場合じゃないんじゃないか……?
「モテモテなんだな…」
ジェジュンは何となく心の奥底がシュンとなる気がしました。
と、そこへ───
「よぉ~~これは可愛い子ちゃん。こんなところでガチョウ持って何してるんだい?」
ちゃらら~ん。
仁義なき戦いのテーマ曲とともにヤクザ風の男3人組が近づいてきました。
「客引きならおいちゃんたちがガチョウと纏めて買ってやろうか?」
これはヤバイです。
「ヒィィィ!た、助けて」
ジェジュンは思わずあの隊長さんのもとへ駆け寄りました。
「───っ!お前はまた──!」
隊長さんは鬼のような形相であっという間にヤクザ者たちを蹴散らしてくれました。
「だから早く帰れと言ってるんだぞ」
「……と言われても家が遠いので」
「どこだ」
「○○郡、字、下乙、丙…」
「遠いな。じゃ今夜は宿を取るしかないな」
隊長が辺りをぐるりと見ると、近場の旅籠の女将さんがニコニコと揉み手をしました。
「お客さんお泊りですかい?お二人様?」
「一人だ。一人いくらだ?」
「金貨3枚にしときますよ」
「だそうだ。お前、金はあるのか?」
「ないです……1枚しか…」
ジェジュンがそう言うと腕にかかえたガチョウが身体を揺すりはじめました。
そしてグェ、と金貨を2枚出しました。←算数もできるようです。
「─────!!」
隊長の目が丸くなりました。
女将の目はもっと大きく、悪どく輝きました。
「ひゃぁ!これは…」
その目を見逃さなかった隊長は、
「とにかく中へ入れ、女将、二名分頼む」
と言ってジェジュンの腕を引っ掴んで宿の中へ逃げるように駆けこみました。
つづく。
さ。どんな感じでしょ(;´▽`A``