あと3か月で結婚するらしい私ですが、
相変わらず、千葉(実家)と横浜(だんなの実家)を往復する
ノマドなヨメをやっております。
(最近、ついにお義母さんがパジャマを買ってくれました。笑)
今日は、DVのお話です。
金曜日、ドナー様との打ち合わせを数件終え、
スーダン人の理事と下北沢で水タバコを吸い、町田でだんなと待ち合わせ、
お義母さんの運転する車で、おうちに帰っていた夜11時のこと。
「あれ、あの人、裸足ね」
とお義母さんが言うので窓の外を見ると、
薄着で、裸足の女性が、道端に体育座りをしていました。
車を降り、歩いて引き返すと、彼女は泣いていました。
茶色に染め上げて、ラフに束ねた髪。
薄い、部屋着のジャージ。
ペディキュアもしていない、飾り気のない足。裸足。
「寒くないですか~?」
そう訊いて、
強制的にタオルを押し付け、マフラーを巻きつけ、
隣に座り込みました。
だんなは、自販機で温かいお茶を買い、家からサンダルを持ってきてくれました。
「ごめんなさい、ありがとうございます。
今ケーサツ呼んだんですけど、なかなか来なくって」
「ほんっっっと寒いんですけど、ほんと来ないんですよー。
ひどいですよね笑」
そういって、泣きながら笑う彼女はAさんといい、
ぽつり、ぽつりと事情を話してくれました。
今日は、友だちと近所でお酒を飲んでいたこと。
家に帰って、携帯を見ていたら、だんなさんに殴られたこと。
「浮気なんてしてないよ」と携帯を見せても、信じてもらえないこと。
「出て行け」といわれて、そのまま飛び出してきたこと。
帝王切開・未熟児で生まれた、4か月の男の子がいること。
ケーサツを呼ぶのは、これが初めてではないこと。
だんなさんは、足場を組む仕事をしていること。
近くには、友達も親戚もいないこと。
実家は遠くて、今すぐ戻れる状況でもないこと。
話しているうちにお巡りさんが2人来て、
彼女に質問をし、メモを取り、
「あのね、事情はわかったんだけど、」と話し始めました。
保護といっても、警察署の受付前のベンチくらいしか提供できないこと。
夫婦の問題には、そう簡単に入れないこと。
子どもには手を上げないひとだから、
今日のところはこのまま、私だけ保護してもらえないかな、
いや、でもベンチしかないんだよ、
シェルターなら紹介できるけど、
でもお子さんを連れていかなきゃいけないでしょ、
そんな押し問答を横で聞きながら、
そしてAさんとお巡りさんが、話し合いの結果おうちに戻る後ろ姿を見ながら、
帰宅後、だんなが淹れてくれた美味しい蘭貴人を飲みながら、
何だか、考えこんでしまいました。
私が毎日通る道、
道の脇の20メートルの集合アパート、
たった数センチの厚さのドアの向こうで、
怖い思い、かなしい思い、抑え切れない衝動、疑心暗鬼、
どうしようもない事態に絡め取られたひとたちが、いたんだ。
私は、タオルやサンダルと一緒に、別れ際にきちんと言葉を託せばよかった。
Aさん、
私はあなたのことを沢山知っているわけではありませんが、
いつでも心配しています。それを、忘れないで。
いのちを傷つけたり、消し去ったりすることは、
どんな理由があっても、例え自分が辛くても、
やってはいけないことだと、私は思うの。
それから、大事なママがパパに殴られているのを見て、
幸せな気持ちになる子どもなんて、絶対いないの。
どんなに生活が苦しかったとしても、どんなに疎遠でも、
あなたの家族は、あなたに大変なことがあったら、辛い思いをするの。
何もできなかった自分を、きっと責めてしまうのよ。
そう、きちんと伝えればよかった。
そんなことを思いながらベッドに転がっていたら、
私の目を覗き込んで、だんなが言いました。
「きみは、ラクな生き方ができないんだねぇ。」
……きみだって、そうでしょ?笑
相変わらず、千葉(実家)と横浜(だんなの実家)を往復する
ノマドなヨメをやっております。
(最近、ついにお義母さんがパジャマを買ってくれました。笑)
今日は、DVのお話です。
金曜日、ドナー様との打ち合わせを数件終え、
スーダン人の理事と下北沢で水タバコを吸い、町田でだんなと待ち合わせ、
お義母さんの運転する車で、おうちに帰っていた夜11時のこと。
「あれ、あの人、裸足ね」
とお義母さんが言うので窓の外を見ると、
薄着で、裸足の女性が、道端に体育座りをしていました。
車を降り、歩いて引き返すと、彼女は泣いていました。
茶色に染め上げて、ラフに束ねた髪。
薄い、部屋着のジャージ。
ペディキュアもしていない、飾り気のない足。裸足。
「寒くないですか~?」
そう訊いて、
強制的にタオルを押し付け、マフラーを巻きつけ、
隣に座り込みました。
だんなは、自販機で温かいお茶を買い、家からサンダルを持ってきてくれました。
「ごめんなさい、ありがとうございます。
今ケーサツ呼んだんですけど、なかなか来なくって」
「ほんっっっと寒いんですけど、ほんと来ないんですよー。
ひどいですよね笑」
そういって、泣きながら笑う彼女はAさんといい、
ぽつり、ぽつりと事情を話してくれました。
今日は、友だちと近所でお酒を飲んでいたこと。
家に帰って、携帯を見ていたら、だんなさんに殴られたこと。
「浮気なんてしてないよ」と携帯を見せても、信じてもらえないこと。
「出て行け」といわれて、そのまま飛び出してきたこと。
帝王切開・未熟児で生まれた、4か月の男の子がいること。
ケーサツを呼ぶのは、これが初めてではないこと。
だんなさんは、足場を組む仕事をしていること。
近くには、友達も親戚もいないこと。
実家は遠くて、今すぐ戻れる状況でもないこと。
話しているうちにお巡りさんが2人来て、
彼女に質問をし、メモを取り、
「あのね、事情はわかったんだけど、」と話し始めました。
保護といっても、警察署の受付前のベンチくらいしか提供できないこと。
夫婦の問題には、そう簡単に入れないこと。
子どもには手を上げないひとだから、
今日のところはこのまま、私だけ保護してもらえないかな、
いや、でもベンチしかないんだよ、
シェルターなら紹介できるけど、
でもお子さんを連れていかなきゃいけないでしょ、
そんな押し問答を横で聞きながら、
そしてAさんとお巡りさんが、話し合いの結果おうちに戻る後ろ姿を見ながら、
帰宅後、だんなが淹れてくれた美味しい蘭貴人を飲みながら、
何だか、考えこんでしまいました。
私が毎日通る道、
道の脇の20メートルの集合アパート、
たった数センチの厚さのドアの向こうで、
怖い思い、かなしい思い、抑え切れない衝動、疑心暗鬼、
どうしようもない事態に絡め取られたひとたちが、いたんだ。
私は、タオルやサンダルと一緒に、別れ際にきちんと言葉を託せばよかった。
Aさん、
私はあなたのことを沢山知っているわけではありませんが、
いつでも心配しています。それを、忘れないで。
いのちを傷つけたり、消し去ったりすることは、
どんな理由があっても、例え自分が辛くても、
やってはいけないことだと、私は思うの。
それから、大事なママがパパに殴られているのを見て、
幸せな気持ちになる子どもなんて、絶対いないの。
どんなに生活が苦しかったとしても、どんなに疎遠でも、
あなたの家族は、あなたに大変なことがあったら、辛い思いをするの。
何もできなかった自分を、きっと責めてしまうのよ。
そう、きちんと伝えればよかった。
そんなことを思いながらベッドに転がっていたら、
私の目を覗き込んで、だんなが言いました。
「きみは、ラクな生き方ができないんだねぇ。」
……きみだって、そうでしょ?笑