今日は、

歳の近いフランス人女性と初めて会いまして

会って、数分で議論になりました。

 

この方は、フランスのグランゼコールを出て公務員として働いている優秀な方なのです。

彼女が以前、日本に留学をしていたということで知人を通じて知り合うこととなりました。

 

本日は、2カ国の社会的問題について。

まず、互いの文化を比べて、彼女が初めに指摘してきたのは日本のいじめ問題でした。

10年前の日本を知っている彼女は、もちろん今より閉鎖的な日本を知っています。

彼女がフランス人ということで幸いにも人種差別的ないじめは受けて来なかったようですが、

10年前と言ったら、いじめ問題が明るみにで始めた頃じゃないでしょうか。

安全で、優しい日本人とはかけ離れた現実は、外国から来た人間にはショックな出来事として映ったようです。こうした光景を目の当たりにした彼女は、仮にも日本で子供を育てたら、確実にアジア系とはかけ離れた容姿が原因でいじめに遭うだろうから日本に住むのは難しいと言っていました。

 

私は日本が、今日少しずつグローバルになってきているのは十分に肌で感じています。

芸能人の子供も英語教育が見直された結果、日本にいながら敢えてアメリカンスクールに通わせているのも肯定的意見とともに広く知れ渡っていますし、テレビでも積極的に英語を使うようになってきたなと思います。しかしながら、陸続きのヨーロッパや移民で編成された国々からしたら、まだまだ閉鎖的ではあるなと言うのが本当の所です。もちろん、日本というオリジナリティーを貫いている点はとても評価されるべき点です。国民の安全を考えて移民や難民を頑なに受け入れない事は、反対されるべき点ではないと私は思います。

ただ、集団心理的な行動から根強く残る日本のいじめ問題というのが、急に変わるというのは現実的ではないでしょう。少しずつ一人一人の心のケアがされるようになって、IT社会を通じてアイデンティティーが守られるようになって、初めて、いじめは愚かな人間のする事だという解釈が一般的になるのではないでしょうか。

 

そんな訳で、外国人から見た日本のネガティブ問題とは、

浅はかな解釈が引き起こすいじめ問題でした。

 

 

続いて、彼女がフランスより優れていると指摘した点は、高齢者への接し方でした。

 

日本では、近年高齢化に伴い、介護の問題が長年議論され続けていますね。

自分の所に親を呼び寄せて一緒に住むべきか、はたまた、老人施設に入れるべきか。

認知症や疾患、徘徊などもそうだし、年金問題も考えなくてはならない課題が山ほどありますと言われていますね。

 

打って変わって、フランスではそもそも介護など念頭に無いそうです。

高齢者の一人暮らしなどは珍しくありません。

街を歩いていて綺麗に着飾った女性の足元に見ると、やつれたほっそいふくらはぎが目につきます。おまけに、杖をついているではありませんか。

パリでは、こうした高齢の人々をよく見かけます。

彼女が言うには、一般的には、高齢者と言えど大人である事に変わりは無いので弱者として助けることはないのだとか。(電車で席を譲るとかの話では無く、必ずしも助けなくてはならない存在ではないと言う事です。)寧ろ、新しい命や子供の教育や医療に力を入れているそうです。

確かに、フランスの教育機関への援助は日本とは比べ物にならないし、医療の面でも優れています。

フランス人は、愛が一番なんて思っていたから、そんな風に家族間でトラブルを抱えているとは思ってもみませんでした。私の大家さんもホストファミリーも頻繁に子供達と連絡を取っているし日本よりも愛への熱が強いものだと思っていました。

ただ、独立性を早い段階で確立するフランス人にとって親は家族でもある意味で他人なのでしょう。

そして、変に依存する事を好まない文化がこうした高齢者問題を作っているのだろうと彼女の話を聞いていて思いました。良くも悪くもずっと独り。

その点、日本人は普段から親との結びつきが無くとも、いつかは親の介護をする事が義務と考えられています。なんだかんだ言って悩んでも、責任を持っている時点で、家族愛があるのかもしれませんね。

フランス人は、みんなが個を持つ事を当たり前だと思っているから、寂しいとか悲しいとか感じていないのだと思っていました。(サイコパス的な意味では無く)

ただ、結びつきが薄れると言う点ではそうした感情を抱くのですね。

 

一人で生きるのって、強くてかっこいい。

だけれども、やっぱりそこには寂しさが付き物なのです。

 

フランス人は、高齢者になっても一人暮らしが珍しくないと目に見えているから結婚に重きを置かないのかなと思います。結婚して家庭を築き、子供に支えて年金ももらえるのは、

やはり保証された幸せなのではないでしょうか。

 

両親が年老いて、介護が必要になった時、私は側に居てあげられるのだろうか。

うちの母方の祖母のように娘や孫たちに囲まれて笑顔でお正月やお盆を過ごさせてあげられるのだろうか。父に、可愛い孫を抱かせてあげられるのだろうか。

 

やっぱり、両親に育ててもらった以上、衰えていく人々から目を背けることはできません。

利益やロジックの追求のしすぎで無償の愛が忘れ去られてはなりません。

 

そうした点では、家族間で持ちつ持たれつの程よい関係を築いている日本の愛し方も悪くないのだと考えられます。