藤の花

 十九の春逝きたる友を偲ぶ宵
       藤のはな揺る心の内にも  

  t子さん  あれから随分 年月が過ぎましたねあの
  日は土曜日でしたね 『藤のはなを見に行こう』 と
  私を誘ってくれ授業のない午後から近くの公園にゆき
  ベンチに掛けてt子さんはデザイナーをめざし夢をかたって
 ゐましたね 二人とも夕暮れまで楽しく話しつずけましたよね
 『さようならナラナラ』t子さんの口癖でしたね~
  日曜日 も 過ぎて月曜日のこと t子さんの自殺の知らせに
 耳を疑つていました 姿の見えない現実の悲しさ今だにわすれ
ません 毎年藤のはなが咲くと思いだしていますよ