■第941回食品安全委員会

日付:令和6年6月4日(火)
 

議題

 

(1)  農薬第二専門調査会における審議結果について

  ・「ヨウ化メチル」に関する審議結果の報告と意見・情報の募集について

(2)  食品安全基本法第24条の規定に基づく委員会の意見について

・農薬「エスプロカルブ」に係る食品健康影響評価について

・農薬「エトフェンプロックス」に係る食品健康影響評価について

(3)  食品健康影響評価の結果に基づく施策の実施状況の調査結果について (第28回:令和5年9月30日時点)

(4)  その他

 

審議の内容

 

(1)  農薬第二専門調査会の審議結果

 

○ ヨウ化メチル

 

ヨウ化メチルは、過去に評価したことがあります(2011年2月10日に第二版を答申)。企業からこの農薬をブロッコリー、アスパラガス等にも使用したいとの申請があったことを受けて、2022年3月23日付けで厚生労働大臣から食品健康影響評価の要請があったことから、農薬第二専門調査会で審議を行ったものです。

 

各種試験の結果から、ばく露評価対象物質をヨウ化メチル(親化合物のみ)とした上で、許容一日摂取量(ADI)については、0.005 mg/kg 体重/日、急性参照用量(ARfD)については、妊婦又は妊娠している可能性のある女性に対して0.005 mg/kg 体重、一般の集団に対して0.035 mg/kg 体重をそれぞれ設定しました。

また、同専門調査会は、ヨウ化メチルの使用により、食品に残留するヨウ素の摂取量が増加し、ヨウ素の過剰摂取とならないように、リスク管理機関において、引き続き関連情報の収集に努めるべきともしています。

 

この審議結果(案)については、6月5日(水)から7月4日(木)までの30日間、意見・情報の募集を行います。

 

(2)  食品安全基本法第24条の規定に基づく委員会の意見

 

○ 農薬「エスプロカルブ」

 

エスプロカルブについては、農薬取締法第8条第4項に基づき行われる農薬の再評価に関して、2023年3月22日付けで農林水産大臣から食品健康影響評価の要請があったことから、農薬第五専門調査会での審議を経て、パブリックコメントの募集を行いました。

期間中1件の意見が提出されましたが、専門調査会の結論を変更することなく、農産物、畜産物及び魚介類中のばく露評価対象物質をエスプロカルブ(親化合物のみ)とした上で、許容一日摂取量(ADI)を0.01 mg/kg 体重/日、急性参照用量(ARfD)を0.05 mg/kg 体重と設定し、農林水産大臣に通知することとしました。

 

○ 農薬「エトフェンプロックス」

 

エトフェンプロックスは、過去に評価しています(2021年11月16日に第6版を答申)。企業から、この農薬を飼料用とうもろこしにも使用したいとの申請があったことから、本年2月21日付けで、厚生労働大臣より食品健康影響評価の要請があったことから、農薬第三専門調査会で審議を行ったものです。

各種試験結果から、農産物、畜産物及び魚介類中のばく露評価対象物質をエトフェンプロックス(親化合物のみ)とした上で、ADI=0.031mg/kg 体重/日、ARfD= 1 mg/kg 体重と設定しました。

 

この結果は、これまでの結論を変更するものではないことから、意見・情報の募集は行わずに内閣総理大臣に通知することとしました。

 

(3)  食品健康影響評価の結果に基づく施策の実施状況の調査結果について (第28回:令和5年9月30日時点)

 

食品安全委員会では、食品健康影響評価が関係行政機関におけるリスク管理措置に適切に反映されているかについて把握するため、毎年リスク管理機関における施策の実施状況を調査し、公表しています。

今回、令和5年9月30日を基準日として、令和3年10月1日から令和4年9月30日の間に食品健康影響評価を通知した品目及び令和3年9月30日以前に通知が行われたが、前回調査でリスク管理措置が講じられていなかった品目計174件について実施状況を報告しました。

 

当日の会合資料は下記をご参照ください。後日、議事録も公開します。

https://www.fsc.go.jp/fsciis/meetingMaterial/show/kai20240604fsc