■第940回食品安全委員会

日付:令和6年5月21日(火)
 

議題

 

(1)  遺伝子組換え食品等専門調査会における審議結果について

・「JPBL011株を利用して生産されたα-アミラーゼ」に関する審議結果の報告と意見・情報の募集について

(2)  食品安全基本法第24条の規定に基づく委員会の意見について

プリオン「牛肉骨粉等の鶏・豚等用飼料への利用」に係る食品健康影響評価について

・食品衛生法第13条第3項の規定に基づき人の健康を損なうおそれのないことが明らかであるものとして内閣総理大臣が定める物質(対象外物質)「アナカルド酸」に係る食品健康影響評価について

(3)  その他

 

審議の内容

 

(1)  遺伝子組換え食品等専門調査会の審議結果

 

○「JPBL011株を利用して生産されたα-アミラーゼ」

 

JPBL011株を利用して生産されたα-アミラーゼは、2023年7月4日付けで農林水産大臣から、飼料添加物としての安全性について食品健康影響評価の要請があったことから、遺伝子組換え食品等専門調査会で審議を行いました。

同専門調査会は、以下の理由から組換え体由来の新たな有害物質が生成され、肉、乳、卵等の畜産物中に移行する可能性、遺伝子組換えに由来する成分が畜産物中で有害物質に変換・蓄積される可能性及び当該成分が家畜の代謝系に作用し、新たな有害物質が産生する可能性はないと考えられることから、当該飼料添加物を摂取した家畜に由来する畜産物については、人の健康を損なうおそれはないと判断しました。

・挿入遺伝子の供与体であるG. stearothermophilus ATCC7953株について、安全性に関して問題となる報告がないこと、挿入される塩基配列が明らかであること等が確認されたこと、

・さらに、挿入DNA及び接合領域におけるオープンリーディングフレームについて、既知の毒性タンパク質との構造相同性について確認した結果から、当該品目が有害物質を含む可能性は低いと考えられたこと、また、改変amySについてデータベースを用いた検索の結果、畜産物中へ移行するという報告はなかったこと。

 

この審議結果(案)について、5月22日(水)から6月20日(木)までの30日間、意見・情報の募集を行います。

 

(2)  食品安全基本法第24条の規定に基づく委員会の意見

 

○ プリオン「牛肉骨粉等の鶏・豚等用飼料への利用」

 

2023年11月21日付けで農林水産大臣より、新たな措置を含めたリスク管理措置の実施を前提として、牛肉骨粉等の鶏・豚等用飼料への利用再開に向けた食品健康影響評価の要請があったことから、プリオン専門調査会での審議を経てパブリックコメントの手続きを行いました。

期間中2件の意見が提出されましたが、専門調査会の結論と同様に、牛肉骨粉等を、鶏・豚等を対象とする飼料の原料として利用したとしても、人への健康影響は無視できると判断し、農林水産大臣に通知することとしました。

 

○ 食品衛生法第13条第3項の規定に基づき人の健康を損なうおそれのないことが明らかであるものとして内閣総理大臣が定める物質(対象外物質)「アナカルド酸」

 

アナカルド酸について、農林水産大臣からの牛用飼料としての飼料添加物の指定に係る意見聴取を受けた厚生労働大臣より、2023年8月31日付けで食品健康影響評価の要請があったことから、肥料・飼料等専門調査会における審議を経て、パブリックコメントの手続きを行いました。

期間中1件の意見が提出されましたが、専門調査会の結論と同様に、アナカルド酸は、飼料添加物として通常使用される限りにおいて、食品に残留することにより人の健康を損なうおそれのないことが明らかであると判断して内閣総理大臣※に通知することとしました。

 

※ 本年4月1日付けで、食品衛生行政が、厚生労働省から消費者庁に移管されたため

 

当日の会合資料は下記をご参照ください。後日、議事録も公開します。

https://www.fsc.go.jp/fsciis/meetingMaterial/show/kai20240521fsc