■第939回食品安全委員会
日付：令和6年５月14日(火)
議題
・「フェンメディファム」に関する審議結果の報告と意見・情報の募集について
(2) 肥料・飼料等専門調査会における審議結果について
・「カシューナッツ殻液」に関する審議結果の報告と意見・情報の募集について
(3) 食品安全基本法第２４条の規定に基づく委員会の意見について
・飼料添加物「2-デアミノ-2-ヒドロキシメチオニンイソプロピルエステル」に係る食品健康影響評価について
(4) その他
審議の内容
(1) 農薬第三専門調査会の審議結果
○「フェンメディファム」
農薬取締法第8条第４項に基づき行われる農薬の再評価に関して、2023年３月22日付けで農林水産大臣から食品健康影響評価の要請があったことから、農薬第三専門調査会において審議を行ったものです。
農林水産省から新たに提出された、遺伝毒性試験の成績、公表文献報告書等も含む各種試験の結果から、農産物中のばく露評価対象物質をフェンメディファム（親化合物のみ）とした上で、許容一日摂取量（ADI）を0.046 mg/kg 体重/日と設定するとともに、急性参照用量（ARfD）については、設定する必要はないと判断しました。
この審議結果（案）については、5月15日（水）から6月13日（木）までの30日間、意見・情報の募集を行います。
(2) 肥料・飼料等専門調査会の審議結果
○ カシューナッツ殻液（CNSL）
CNSLについては、2023年８月30日付けで農林水産大臣から、飼料添加物の指定並びに飼料添加物の基準及び規格の設定について食品健康影響評価の要請があったことから、肥料・飼料等専門調査会で審議を行ったものです。
同専門調査会は、飼料添加物指定審査用資料等を用いて評価を行った結果、以下の理由から、本飼料添加物が飼料添加物として適切に使用される限りにおいては、食品を通じて人の健康に影響を与える可能性は無視できる程度と判断しました。
・原体の主成分であるアナカルド酸について、同専門調査会では「飼料添加物として通常使用される限りにおいて、食品に残留することにより人の健康を損なうおそれのないことが明らかである」と評価していること、
・賦形物質等は、その使用状況及び既存の評価を考慮すると、本飼料添加物の含有成分として摂取した場合の人への健康影響は無視できる程度と考えられること、
・残留試験では、本飼料添加物を牛に混餌投与した結果、組織、乳汁等においてCNSL 成分は検出されなかったことから、食品を通じて飼料添加物由来のCNSL 成分を人が過剰に摂取することはないと考えられること、
・牛の安全性試験及び飼養試験の結果から、本飼料添加物の牛への推奨添加量での添加について、牛に対する安全性に問題はないと考えられること。
この審議結果（案）については、5月15日（水）から6月13日（木）までの30日間、意見・情報の募集を行います。
(3) 食品安全基本法第２４条の規定に基づく委員会の意見
○ 飼料添加物「2-デアミノ-2-ヒドロキシメチオニンイソプロピルエステル」（HMBi）
本添加物は、牛用飼料に栄養成分その他の有効成分を補給する目的の飼料添加物であり、2023年7月12日付けで農林水産大臣から、飼料添加物としての指定とともに、飼料添加物の基準及び規格の設定並びにこれを含む飼料の基準及び規格の設定に向けた食品健康影響評価の要請がありました。また、2023年７月13日付けで厚生労働大臣より、この添加物を使用した家畜に由来する食品の安全性に関する食品健康影響評価の要請があったことから、肥料・飼料等専門調査会における審議を経て、パブリックコメントの手続きを行いました。
期間中1件の意見が提出されましたが、専門調査会の結論を変更することなく、本飼料添加物が、飼料添加物として適切に使用される限りにおいては、食品を通じて人の健康に影響を与える可能性は無視できる程度と判断し、内閣総理大臣※及び農林水産大臣に通知することとしました。
※ 本年4月1日付けで、食品衛生基準行政が、厚生労働省から消費者庁へ移管されたため。
(4) その他
○ 食品安全委員会の運営について（令和６年１月から３月まで）
令和６年１～３月期の食品安全委員会の運営実績について、食品健康影響評価、リスクコミュニケーション及び食品安全情報の収集等の項目ごとに実績をとりまとめ、委員会に報告しました。
当日の会合資料は下記をご参照ください。後日、議事録も公開します。
https://www.fsc.go.jp/fsciis/meetingMaterial/show/kai20240514fsc