昨年の食品安全委員会創立20周年を記念して、これまで行ってきた数々の食品健康影響評価(リスク評価)の中から、主要なテーマについて松永和紀委員が解説する特別連載記事を掲載しています。
第8回のテーマは「汚染物質の評価は難しい~無機ヒ素」で、2013年に評価書をまとめた「無機ヒ素」について解説をしています。
無機ヒ素は、コメや海藻などに多く含まれており、摂取により皮膚や生殖・発生、神経発達への悪影響、発がん性などが報告されています。
食品安全委員会は、2013年12月に世界の疫学研究や日本人の無機ヒ素摂取量データなどを用いて安全性の評価を行いました。その結果をふまえ、現段階では日本において、食品を通じて摂取したヒ素による明らかな健康影響は認められておらず、食品からのヒ素摂取の現状に問題があるとは考えられないとしています。
ただし、一部の人たちは無機ヒ素の摂取量が多い可能性があり、特定の食品に偏らず、バランスのよい食生活を心がけることが重要としています。
是非、詳細をご覧ください。
URL:https://www.fsc.go.jp/iinkai/20shunen/08_mukihiso.html
【今までに公開したコラム】
第1回 トランス脂肪酸〜リスク評価の意味を知ってほしい〜(2023年6月2日公開)
https://www.fsc.go.jp/iinkai/20shunen/01_toransushibosan.html
第2回 薬剤耐性(AMR)のリスク評価に挑む(2023年6月21日公開)
https://www.fsc.go.jp/iinkai/20shunen/02_amr.html
第3回 カンピロバクターとの長い闘い(2023年7月14日公開)
https://www.fsc.go.jp/iinkai/20shunen/03_campylobacter.html
第4回「健康食品」は安全とは限らない〜委員長らが異例の呼びかけ(2023年8月17日公開)
https://www.fsc.go.jp/iinkai/20shunen/04_kenkosyokuhin.html
第5回 アクリルアミドともやし炒め~リスク評価のその後は?(2023年10月6日公開)
https://www.fsc.go.jp/iinkai/20shunen/05_akuriruamido.html
第6回 BSE問題前編~20年前、食品安全委員会設立のきっかけに(2023年11月27日公開)
https://www.fsc.go.jp/iinkai/20shunen/06_prion_vol1.html
第7回 BSE問題後編〜プリオン病情報を収集し、リスクに備える(2023年12月18日公開)