■第924回 食品安全委員会

日付:令和5年12月26日(火)
 

議題

 

(1)  薬剤耐性菌に関するワーキンググループにおける審議結果について

・「薬剤耐性(AMR)対策アクションプランに係る食品安全委員会行動計画2023-2027」に関する審議結果の報告と意見・情報の募集について

(2)  食品安全基本法第24条の規定に基づく委員会の意見について

動物用医薬品「フェノキシエタノール」に係る食品健康影響評価について

微生物・ウイルス「乳及び乳製品の成分規格等に関する省令の改正について」に係る食品健康影響評価について

(3)  その他

 

審議の内容

 

(1)  薬剤耐性菌に関するワーキンググループにおける審議結果

 

本年4月7日に関係閣僚会議で決定されたことを受けて、6月13日に開催された食品安全委員会の指示を踏まえて、「薬剤耐性(AMR)対策アクションプランに係る食品安全委員会行動計画2023-2027」の作成を進めてきた薬剤耐性菌ワーキンググループから、行動計画案の報告を受けました。

 

この中で、

・ 行動計画案のうち、アクションプランに関して食品安全委員会が取り組むべきとされている、「食品衛生分野に関するリスクコミュニケーションの徹底等」、「ワンヘルス動向調査の推進」、「動物用抗菌性物質の使用による薬剤耐性の食品を介した人の健康影響に関するリスク評価の推進」に関する具体的な行動について明記したこと、

・リスクコミュニケーションについて、これまでも毎年11月に開催される薬剤耐性対策推進月間で積極的に食品健康影響評価の結果を情報提供していることや、社会的な関心が高まっていることなども踏まえて、本行動計画案で明確化したこと、

などについて紹介がありました。

 

本件については、12月27日(水)から2024年1月25日(木)までの30日間、意見・情報の募集を行います。

 

(2)  食品安全基本法第24条の規定に基づく委員会の意見について

 

〇 動物用医薬品「フェノキシエタノール」

 

魚類の麻酔剤である「フェノキシエタノール」を、すずき目魚類に使用したいとの承認申請があったことを受けて、本年3月8日付けで厚生労働大臣から残留基準の設定に向けて評価の要請があったことから、動物用医薬品専門調査会での審議を経てパブリックコメントの手続きを行いました。

 

期間中意見・情報の提出はなく、専門調査会における結論と同じ、許容一日摂取量(ADI)を0.46 mg/kg 体重/日と設定し、厚生労働大臣に通知することとしました。

 

〇 微生物・ウイルス「乳及び乳製品の成分規格等に関する省令の改正について」

 

乳及び乳製品並びにこれらを主要原料とする食品については、食品衛生法第13条第1項に基づく乳及び乳製品の成分規格等に関する省令により規格基準が定められています。

事業者団体から摂氏10度以下での保存を要しない製品に係る規格基準を設定することについて要望があったことを受けて、本年8月31日付けで厚生労働大臣から食品健康影響評価の要請があったことから、微生物・ウイルス専門調査会での審議を経てパブリックコメントの手続きを行いました。

 

期間中意見・情報の提出はなく、専門調査会の結論と同様、「現状の牛乳等に対して、今般の改正による新たなリスク管理措置を導入したとしても、人の健康へのリスクが高まるとは考え難い。」と判断し、厚生労働大臣に通知することとしました。

 

(3)  その他

 

事務局より、今般、国立医薬品食品衛生研究所より、食品安全委員会が所管する食品健康影響評価技術研究を主任研究者として受託した同研究所の所員が同研究の成果を用いて執筆した論文に、捏造及び改ざんがあることが同研究所審理委員会において認定されたとの報告があったこと、及びこれを受けて「研究活動における不正行為への対応指針」(平成29年7月3日内閣府食品安全委員会事務局長決定)に基づき、今後、同研究所に対するヒアリングを行った上で、不正が認定された者に対する措置の決定を可能な限り速やかに行う予定であることについて、報告がありました。

 

当日の会合資料は下記をご参照ください。後日、議事録も公開します。

https://www.fsc.go.jp/fsciis/meetingMaterial/show/kai20231226fsc