梅雨の期間は、細菌性の食中毒が発生しやすく注意が必要です。今回はセレウス菌の特徴やこの菌による食中毒を防ぐ対策についてご紹介します。

 

 セレウス菌食中毒は、この菌に汚染された食品を食べることによるもので、嘔吐したり下痢したりすることがあります。嘔吐は食べてから0..5~6時間、下痢は食べてから8~16時間でおこり、日本の事例は嘔吐がほとんどです。ほとんどの場合、発症後1~2日で回復します。
 セレウス菌は土壌や空気中、河川など自然界に幅広く生息しているため、農作物を汚染しやすい細菌の一つです。また、セレウス菌は芽胞という熱に強い形態になって生き残るという特徴があり、90℃で60分の加熱にも抵抗性があるとされ、通常の加熱調理で殺菌することができません。さらに、この菌は調理後の食品中で増殖して、嘔吐を引き起こす毒素が20℃~30℃で多く作られ、その毒素は126℃で90分の加熱処理でも分解しないと言われています。

 我が国におけるセレウス菌食中毒の発生の多い食品は、チャーハン、ピラフなどの焼飯類、焼きそばやスパゲッティなどの麺類などです。

 一般食品に通常みられる程度の菌数では発症しませんが、セレウス菌は熱に強い芽胞を形成するため、加熱調理された食品でも室温に放置すれば、この菌の発芽増殖[高岸2] を招き、嘔吐を引き起こす毒素が作られます。

 

 セレウス菌は自然界に広く存在するため、食品に「つけない」ことの徹底は不可能ですので、この菌を増殖させない(ふやさない)ことが重要です。そのため、セレウス菌による食中毒の予防のためには、

・大量調理はせず必要量の調理をし、調理後はすぐに食べる。

・調理後に食品を保存する場合は菌が増殖する前に冷蔵庫に入れる。

・冷蔵庫に保存した食品も、なるべく早めに消費する。

以下の注意事項を守ることが大切です。

食中毒に注意が必要な時期、セレウス菌の特徴を知って食中毒を予防しましょう。

(参考)
・食品安全委員会 ファクトシート「セレウス菌食中毒」

https://www.fsc.go.jp/sonota/factsheets/06bacillus_cereus.pdf

 

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