豚のお肉やレバーなど内臓の内部には、E型肝炎ウイルスが含まれていることがあります。生または加熱不十分な状態で食べると、E型肝炎に感染するリスクがあり、重篤な肝障害等を起こす可能性もあります。また、サルモネラ属菌などによる食中毒のリスクもあります。

 

食中毒予防のために、豚のお肉や内臓は中心部まで十分に加熱してから食べることが重要です。そこで厚生労働省は「中心部の温度を63℃で30分以上または75℃で1分以上」などの条件で加熱を求めています。

 

例えば、トンカツは、サクサクとした衣と豚肉のしっとり感が美味しさの魅力となる料理ですが、飲食店でも加熱不足のトンカツを、美味しいといって売りにしているものがあり、事業者、消費者共に正しい知識を持つことが重要です。トンカツを揚げた際、見た目で明らかに肉の状態が生のものは言わずもがなですが、余熱により内部の肉の色が変わっているものでも、殺菌に必要な温度に達していないことがあります。

 

では、おいしさを保ちながら、食中毒を防ぐために中心部まで十分に加熱するには、実際どうすればよいのでしょうか?

 

食品安全委員会の公式YouTubeでは、“加熱と調理「トンカツ編」”という動画を公開し、肉の中心部分の75℃で1分を確保するための調理方法を具体的に解説しています。例えば、厚さ1cmの豚肉に衣をつけて180℃の油で1分揚げた場合、表面はきつね色で加熱されているように見えても、中心部分の温度を測ってみると75℃1分の条件を満たしておらず、この厚さの豚肉の場合は2分半が安全のためには最適な揚げ時間であることが分かります。ぜご覧ください。

 

内閣府食品安全委員会公式YouTubeチャンネルについて

 http://www.fsc.go.jp/visual/youtube.html

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