連休目前、家族や友人とおにぎりやお弁当をもって公園などにおでかけ予定の方もいらっしゃると思います。平年より気温が高くなると予想されているこれからの季節、食中毒予防が欠かせません。今回は黄色ブドウ球菌の特徴やこの菌による食中毒を防ぐ対策についてご紹介します。
黄色ブドウ球菌による食中毒症状は、食べた後0.5～6時間（平均3時間）の短い潜伏期間で、吐き気、嘔吐、腹痛などが現れ、下痢を伴うこともありますが、一般に高熱は出ません。症状は個人差がありますが、通常、1～2日で回復します。
黄色ブドウ球菌は私たちの周りの環境に広く分布し、人の手やのど、特に切り傷や化膿巣に大量に存在しています。素手で食品を触るなどにより付着し、一定時間室温で放置すると菌が増殖して毒素（エンテロトキシン）を産出することがあり、それを食品と一緒に取り込むと食中毒が起こります。この毒素は熱に強いため、いったん作られてしまうと加熱によって分解したり取り除いたりすることはできません。
そのため、食中毒を防ぐために重要なことは、食品に黄色ブドウ球菌を「つけない」、「ふやさない」ことです。これからの季節、お弁当を作って公園におでかけしたり、野外での調理や食事をしたりする機会も増えることと思います。以下の方法で食中毒を防ぎましょう。
●「つけない」ための対策
・調理前、トイレ後は、手指を必ずよく洗う。
・手指に切り傷や化膿巣がある時には、素手で食品に触れたり、調理をしたりしない。
・おにぎりを握る際も、ラップで包んだり、ビニール手袋を着用して握る。
●「ふやさない」ための対策
・作った料理は早めに食べ切る。
・すぐ食べない時は、すみやかに冷蔵庫に入れて、10℃以下で保存。
・野外の場合は、保冷バッグなどで保存する。
食品安全委員会 ブドウ球菌食中毒 ファクトシート
http://www.fsc.go.jp/sonota/factsheets/09staphylococcal.pdf
