新年明けましておめでとうございます。2023年の年頭にあたり、ご挨拶を申し上げます。

 

食品安全委員会は、食品安全に関する我が国唯一のリスク評価機関として、①日々食品安全に関する国内外の情報収集、②評価プロセスにおける一貫性、公正性、客観性及び透明性の確保を目的とした評価指針の策定・随時改正、③評価指針に基づく食品健康影響評価を行っています。

 

コロナ禍も3年を経過しましたが、食品安全委員会では、引き続き食品安全の確保に向けたリスク管理機関の施策が適切に展開されるよう、ウェブ会議システムも活用しながら、昨年4月から9月までの間で52件の食品健康影響評価の結果を取りまとめたほか、科学の進展を食品健康影響評価に反映させる観点から、「食品健康影響評価におけるベンチマークドーズ法の活用に関する指針」 及び「食品により媒介される微生物等に関する食品健康影響評価指針」の改正を行いました。

今後とも、科学的根拠に基づくリスク評価や、適時適切な評価指針・ガイドラインの見直しを進め、調査審議の一貫性、透明性の確保に努めてまいります。

 

リスクコミュニケーションについては、引き続き動画コンテンツによる情報発信を積極的に行っています。昨年6月7日の「世界食品安全の日」には、「2022年世界食品安全の日に向けて「より安全な食品で、よりよく健康に」」の動画を公開し、関係者とともに世界食品安全の日に取り組むことを呼びかけました。また、コロナ禍等による家庭での調理機会が引き続き多くなっている中、加熱が不十分な場合に食中毒の危険があることから、予防に向け、家庭で人気の鶏の唐揚げ、トンカツ、ハンバーグといった肉料理を題材として、調理科学が専門の香西みどり委員の紹介による、安全で美味しい加熱調理に関する動画も公開し、多くの方にご視聴いただいております。

 

さらに昨年は、コロナ禍の感染状況も注視しつつ、他府省や都道府県との共催も含め、職員が足を運んで行う対面でのリスクコミュニケーションを複数回 実施することができました。今後平穏な日常生活が戻り、関係者の方々と直に意見を交わすことができる機会が増えることを心から願っています。

 

話は変わりますが、食品安全委員会は本年7月で発足から20年の節目を迎えます。私たちはこれまでの20年を振り返り、その歩みや、その中で果たしてきた役割、創出した成果、また解決すべき課題をしっかりと受け止めることが大切だと考えています。その上で、これからの10年を展望し、明確なビジョンを描いて実行していくことだと考えています。この1年は、職員一同、このことをしっかり胸に刻み、「これからの10年」に向けて新たな一歩を踏み出したいと思っています。

 

結びとなりますが、食品安全委員会は、本年も国民の皆様に一層信頼されるリスク評価機関になるよう、引き続き国民の皆さんの健康保護を最優先に、食品の安全確保に向けて活動してまいります。

 

新しい年が皆様にとって幸多き年となりますよう、心よりお祈り申し上げ、新年のご挨拶とさせていただきます。

 

内閣府 食品安全委員会 委員長 山本 茂貴