■第881回 食品安全委員会

日付:令和4年12月6日(火)
 

議題

(1)遺伝子組換え食品等専門調査会における審議結果について

・「コウチュウ目害虫抵抗性及び除草剤グルホシネート耐性トウモロコシ(DP23211)」に関する審議結果の報告と意見・情報の募集について

・「JPBL013株を利用して生産されたα-アミラーゼ」に関する審議結果の報告と意見・情報の募集について

(2)食品安全基本法第24条の規定に基づく委員会の意見について

・動物用医薬品「オルメトプリム」に係る食品健康影響評価について

・飼料添加物「Corynebacterium glutamicumにより生産された塩酸L-ヒスチジンを有効成分とする飼料添加物」に係る食品健康影響評価について

(3)その他

 

審議の内容

 

(1)遺伝子組換え食品等専門調査会における審議結果

 

○コウチュウ目害虫抵抗性及び除草剤グルホシネート耐性トウモロコシ(DP23211)

 

本品目は、2021年2月9日付けで、厚生労働大臣から食品健康影響評価を要請されました。この系統は、トウモロコシ(Zea mays ssp. mays (L.) Iltis)のデント種PHR03系統を宿主とし、Diabrotica virgifera virgifera に由来するDvSSJ1遺伝子断片、Pseudomonas chlororaphis に由来するipd072Aa遺伝子及びStreptomyces viridochromogenes に由来するpat遺伝子を導入して作出されており、DvSSJ1dsRNA及びIPD072Aaタンパク質を発現することでコウチュウ目害虫抵抗性を、PATタンパク質を発現することで除草剤グルホシネート耐性を付与するものです。

今回、挿入遺伝子の供与体の安全性、挿入遺伝子が発現するタンパク質の毒性及びアレルギー誘発性、挿入遺伝子の塩基配列等の解析、交配後の世代における挿入遺伝子の安定性、植物の代謝経路への影響、植物の栄養成分及び有害成分の比較の結果等について確認した結果、非組換えトウモロコシを比較して新たに安全性を損なう要因は認められなかったことから、「人の健康を損なうおそれはない」と判断しました。

 

この審議結果(案)について、12月7日(水)から令和5年1月5日(木)までの30日間、意見・情報の募集を行います。

 

○JPBL013株を利用して生産されたα-アミラーゼ

 

本品目は、本年6月20日付けで、厚生労働大臣から食品健康影響評価を要請されました。この添加物は、Bacillus licheniformis Ca63株を宿主として、Bacillus amyloliquefaciens DSM7株由来のα-アミラーゼ遺伝子を導入することで作製したJPBL013株を利用して生産されたαアミラーゼです。グルコース重合体のa-1,4結合を加水分解し、デキストリン及びオリゴ糖を生成させる酵素であり、デンプン糖製造に使用するものです。

今回、挿入遺伝子の安全性、挿入遺伝子から産生されるタンパク質の毒性、アレルギー誘発性等について確認した結果、従来の添加物と比較して新たに安全性を損なうおそれのある要因は認められなかったことから、「人の健康を損なうおそれはない」と判断しました。

 

この審議結果(案)について、12月7日(水)から令和5年1月5日(木)までの30日間、意見・情報の募集を行います。

 

(2)食品安全基本法第24条の規定に基づく委員会の意見について

 

○オルメトプリム

 

本品目は、我が国では承認されていませんが、ポジティブリスト制度導入時に暫定基準が設定された動物用医薬品です。既に設定された残留基準値がリスク管理措置として妥当かどうかについて、2020年3月17日付けで厚生労働大臣から食品健康影響評価の要請があったことから、肥料・飼料等専門調査会での審議を経て、パブリックコメントの手続きを行いました。

パブリックコメントの期間中1件の意見が提出されましたが、「現行のリスク管理措置の範囲で使用される限りにおいて、食品健康影響は無視できる程度」と判断し、厚生労働大臣に通知することとしました。

 

Corynebacterium glutamicumにより生産された塩酸L-ヒスチジンを有効成分とする飼料添加物

 

本製剤は、本年4月22日付けで農林水産大臣から、飼料添加物の指定並びに飼料添加物の基準及び規格の設定に向けて食品健康影響評価の要請がありました。その後肥料・飼料等専門調査会の審議を経て、パブリックコメントの手続きを行いました。

パブリックコメントの期間中に4件の意見が提出されましたが、「飼料添加物として適切に使用される限りにおいては、食品を通じて人の健康に影響を与える可能性は無視できる程度」と判断し、農林水産大臣に通知することとしました。

 

当日の会合資料は下記をご参照ください。後日、議事録も公開します。

http://www.fsc.go.jp/fsciis/meetingMaterial/show/kai20221206fsc