■第875回 食品安全委員会

日付:令和4年10月11日(火)
 

議題

 

(1)食品安全基本法第24条の規定に基づく委員会の意見の聴取に関するリスク管理機関からの説明について

・動物医薬品1品目(農林水産省から説明)

マルボフロキサシンを有効成分とする牛の注射剤(フォーシル)

(2)食品安全基本法第24条の規定に基づく委員会の意見について

・農薬「フルミオキサジン」に係る食品健康影響評価について

・農薬「アミスルブロム」に係る食品健康影響評価について

・農薬「シメコナゾール」に係る食品健康影響評価について

・農薬「メタアルデヒド」に係る食品健康影響評価について

(3)その他

 

審議の内容

 

(1)リスク管理機関からの説明

 

○フォーシル

 

本製剤は、過去に評価したことがあります(2007年8月9日付け答申)。令和4年度10月5付けで農林水産大臣より、牛の甚急性及び急性の乳房炎に対して効能があるとして、異なる用法用量の動物医薬品としての販売承認に向けて、食品健康影響評価の要請がありました。

今後動物医薬品専門調査会とともに、薬剤耐性菌に関する評価も必要なことから、薬剤耐性菌に関するワーキンググループでも審議することとしました。

 

(2)食品安全基本法第24条の規定に基づく委員会の意見について

 

○フルミオキサジン

 

農薬(除草剤)「フルミオキサジン」については、過去に評価したことがあります(2014年5月20日に第1版を答申)。今回企業から、実えんどうにもこの農薬を使いたいとの申請があったほか、この農薬を使用したコーヒー豆が輸入される計画があることから、2022年5月25日付けで厚生労働大臣から食品健康影響評価を要請されました。その後、農薬第4専門調査会での審議を行い、パブリックコメントの手続きを行いました。

パブリックコメントでは3通の意見が提出されましたが、専門委員会の結論と同じ、

・許容一日摂取量(ADI)については、0.018 mg/kg 体重/日と設定、

・急性参照用量(ARfD)について、妊婦又は妊娠する可能性のある女性に対して0.03 mg/kg 体重/日と設定するが、一般の集団に対しては、ARfDを設定する必要はないと判断

し、これらの結果について、厚生労働大臣に通知することとしました。

 

また、農薬「アミスルブロム」、「シメコナゾ-ル」、「メタアルデヒド」については、2022年7月13日付けで、厚生労働大臣から食品健康影響評価の要請がありました。

 

○アミスルブロム

 

農薬(殺菌剤)「アミスルブロム」については、過去に評価したことがあります(2019年2月5日に第6版を答申)。企業から畜産物の残留基準設定の申請があり、新たに家畜代謝試験や畜産物残留試験の成績等が提出されましたが、専門調査会の結論と同じ、ADI=0.1 mg/kg 体重/日、ARfDは設定の必要なしと判断しました。

 

○シメコナゾール

 

農薬(殺菌剤)「シメコナゾール」についても、過去に評価したことがあります(2018年5月22日に第6版を答申)。企業から稲にも使用したいとの申請があり、新たに作物残留試験(水稲)、家畜代謝試験(ヤギ及びニワトリ)及び畜産物残留試験(ウシ及びニワトリ)の成績等が提出されましたが、専門調査会の結論と同じ、ADI=0.0085 mg/kg 体重/日、一般集団に対するARfD=0.2 mg/kg 体重/日、妊婦又は妊娠している可能性のある女性に対するARfD=0.09 mg/kg 体重/日と設定することとしました。

 

○メタアルデヒド

 

農薬(殺虫剤)「メタアルデヒド」についても、過去に評価したことがあります(2017年2月14日に第5版を答申)。企業からセルリー及びアスパラガス等にも使用したいとの申請があり、新たに作物残留試験(セルリー、アスパラガス等)、家畜代謝試験(ヤギ及びニワトリ)及び畜産物残留試験(ニワトリ)の成績等が提出されましたが、専門調査会の結論と同じ、ADI=0.022 mg/kg 体重/日、ARfD=0.3 mg/kg 体重/日と設定することとしました。

 

これらの3つの農薬については、いずれも既存の評価結果に影響を与えるものではなかったことから、意見・情報の募集は実施せずに厚生労働大臣に通知することとしました。

 

(3)その他

 

○旧農薬専門調査会で調査審議されていた農薬の取扱いについて

 

食品安全委員会専門調査会等運営規程の別表に基づき、2009年3月26日に厚生労働省から評価要請がされていた農薬「フェナミホス」については、農薬第一専門調査会で調査審議することとなりました。

 

当日の会合資料は下記をご参照ください。後日、議事録も公開します。

http://www.fsc.go.jp/fsciis/meetingMaterial/show/kai20221011fsc