暑い時期の栄養源として、ねばねば野菜のモロヘイヤが店頭に並ぶようになってきました。モロヘイヤはこの時期、家庭菜園でも、たっぷりと葉を茂らせ、まさに旬を迎える頃と思います。

モロヘイヤ(Corchorus olitorius)は、アフリカ北部からインド西部を原産とするシナノキ科の一年生草本で、日本でも30年ほど前から栽培されるようになりました。葉と柔らかい茎の部分が食用とされ、ビタミン、ミネラル等を豊富に含む夏の野菜として、様々なレシピで楽しむ方が増えています。

しかし、モロヘイヤの種子には、強心配糖体(強心作用のある成分)が含まれ、めまいや嘔吐などの中毒症状を起こすので、摂取しないよう注意が必要です。モロヘイヤの強心配糖体は、成熟した種子に最も多く含まれるほか、成熟種子のさや、成熟過程にある種子、発芽からしばらくの間の若葉などにも含まれます。

一方、収穫期やつぼみが発生する時期のモロヘイヤの葉、茎、根とつぼみには含まれません。また、市販されているモロヘイヤ健康食品、モロヘイヤ茶などについても、強心配糖体は検出されていません。

家庭菜園などでモロヘイヤを栽培して食用にされている場合には、葉を収穫する際に、種子やそのさやが混入しないように十分注意してください。また、園芸用として市販されている種には強心配糖体が含まれますので、子供などが誤って口に入れないようにきちんと管理するようにしましょう。

・食品安全委員会 食品安全総合情報システム Q&A詳細 モロヘイヤについて
http://www.fsc.go.jp/fsciis/questionAndAnswer/show/mob07012000006