■第857回 食品安全委員会
日付:令和4年5月10日(火)
議題
(1)食品安全基本法第24条の規定に基づく委員会の意見の聴取に関するリスク管理機関からの説明について
・飼料添加物 1品目
塩酸L-ヒスチジン
(農林水産省からの説明)
(2)食品安全基本法第24条の規定に基づく委員会の意見について
・農薬「アセキノシル」に係る食品健康影響評価について
・農薬「トリネキサパックエチル」に係る食品健康影響評価について
・農薬「トリフロキシストロビン」に係る食品健康影響評価について
・農薬「ピラジフルミド」に係る食品健康影響評価について
(3)その他
審議の内容
(1) リスク管理機関からの説明
〇飼料添加物 塩酸L-ヒスチジン
塩酸L-ヒスチジンは4月22日に農林水産大臣から食品健康影響評価を要請され、今回、説明を受けました。本品目はアミノ酸L-ヒスチジンの塩酸塩です。L-ヒスチジンは哺乳類、鳥類、魚類及びクルマエビ(甲殻類)の必須アミノ酸で、既に食品添加物として国内外で使用が認められており、飼料添加物としてもEU、米国において使用が認められています。
環境負荷の低減を目的として飼料中の粗タンパク質を抑える際に添加することで、アミノ酸の補給源となると期待されています。
今後、肥料・飼料等専門調査会で調査・審議することとしました。
(2) 食品安全委員会の意見
〇アセキノシル
農薬(殺ダニ剤)アセキノシルは、2021年12月8日付けで厚生労働大臣から健康影響評価を要請され、専門調査会での審議、パブリックコメントの手続きを行いました。パブリックコメント期間中に1件の意見がありましたが、専門調査会における結論と同じ許容一日摂取量(ADI)=0.022 mg/kg体重/日、急性参照用量(ARfD)=0.073 mg/kg体重として、厚生労働省に通知することとしました。
〇トリネキサパックエチル
農薬(植物成長調整剤)トリネキサパックエチルは、2021年12月8日付けで厚生労働大臣から健康影響評価を要請され、専門調査会での審議、パブリックコメントの手続きを行いました。パブリックコメント期間中に2件の意見がありましたが、専門調査会における結論と同じADI=0.0059 mg/kg体重/日、ARfD=0.6 mg/kg体重として、厚生労働省に通知することとしました。
〇トリフロキシストロビン
農薬(殺菌剤)トリフロキシストロビンは、2022年1月19日付けで厚生労働大臣から健康影響評価を要請されました。この農薬については過去に評価を実施したことがあります(2015年8月18日に第3版を答申)。今回、この農薬を使用したやまいも、キャベツ等が輸入される計画があるため、残留基準値設定の申請があり、食品安全委員会に対して評価が要請されました。
新たに作物残留試験成績が提出されましたが、毒性に関する試験成績の追加提出はなく、ADI及びARfDは第3版から変更していません。ADI=0.05 mg/kg体重/日、ARfDは「設定の必要なし」です。指標に変更がなかったことから、パブリックコメントは実施しないこととしました。
〇ピラジフルミド
農薬(殺菌剤)ピラジフルミドは、2021年12月8日付けで厚生労働大臣から食品健康影響評価を要請され、専門調査会での審議、パブリックコメントの手続きを行いました。パブリックコメント期間中に2件の意見がありましたが、専門調査会における結論と同じADI=0.021 mg/kg体重/日、ARfD=1.6 mg/kg体重として、厚生労働省に通知することとしました。
当日の会合資料は下記をご参照ください。後日、議事録も公開します。
https://www.fsc.go.jp/fsciis/meetingMaterial/show/kai20220510fsc