ノロウイルスなどによる感染性胃腸炎の流行が報告されています。

コロナウイルス対策でアルコールが各所に置かれていますが、ノロウイルスは、アルコールでは死なないことをご存じですか?

 

ノロウイルスによる食中毒や感染症を予防するためには、手洗い、加熱殺菌、次亜塩素酸ナトリウムによる消毒が効果的です。

まずは、外出先からの帰宅時やトイレの使用後、調理の前後、食事の前など、せっけんなどを使った正しい方法でこまめに手洗いをし、食中毒や感染症をしっかり防ぎましょう。

 

ノロウイルスは、人の腸管で増殖し、食べ物を食べてから24~48時間後に、下痢、強いおう吐、発熱及び腹痛などを起こします。多くは1~2週間程度で治癒し、後遺症はほぼありません。なお、乳幼児や高齢者等、抵抗力の弱い人では重症化することもあります。

(ノロウイルスは人の腸管以外では増殖しません)

 

ノロウイルスの原因食品としてカキなどの二枚貝が有名ですが、最近は、二枚貝よりも、人の手指等をとおして汚染された食品を食べたことが原因と考えられる事例が多く発生しています。

 

(ノロウイルスの感染経路)

①汚染された食品を食べた(例:ノロウイルスを保有した二枚貝(カキ等)を生あるいは十分に加熱調理せずに食べた)

②人の手指等を介してウイルスが付着した食品を食べた

③ノロウイルスが大量に含まれる感染者のふん便やおう吐物が人の手指等に付着。手指等を介して経口で感染

④おう吐物等、感染者が排出し空中を浮遊したノロウイルスを吸い込んだ

 

ノロウイルスの予防のポイントは以下のとおりです。

 

〇 ウイルスを「つけない」(「持ち込まない」「ひろげない」)

・外出先からの帰宅時やトイレの使用後、調理の前後、食事の前など、石けん等を用いて正しい方法でこまめに手洗いする。(※)

・おう吐・下痢等の症状があるときは、台所に入らない。調理を控える。

・清潔な調理器具で調理する。

※石けん自体にウイルスを直接失活させる効果はないが、石けんを使用し手の脂肪を落とすことにより、ウイルスを手からはがれやすくする効果がある。

 

〇 ウイルスを「やっつける」

・加熱が可能な食品は、中心温度85~90℃で90秒間以上、十分に加熱する。

・調理器具は定期的に熱湯で消毒するか、成分が次亜塩素酸ナトリウムの塩素系の消毒剤や漂白剤等を、表示された説明どおりに希釈して消毒する

 

・食品安全委員会 精講「ノロウイルスについて(基礎知識編)」

http://www.fsc.go.jp/visual/youtube.html

→上記URLのおすすめ動画に掲載中。ノロウイルスについて山本委員長(公開当時副委員長)が解説しています。「予防編」、「事例編」とあわせて、上記ページから公式YouTubeチャンネルにてご覧ください。

 

・食品安全委員会 ノロウイルスによる食中毒にご注意ください

http://www.fsc.go.jp/sonota/e1_norovirus.html

 

・食品安全委員会 キッズボックス「正しい手洗いで元気に過ごそう!」(2021年12月号)

http://www.fsc.go.jp/kids-box/index.data/202112_kidsbox.pdf

 

・厚生労働省 感染性胃腸炎(特にノロウイルス)について

https://www.mhlw.go.jp/bunya/kenkou/kekkaku-kansenshou19/norovirus/