テレビのグルメ番組で、人気メニューとして、生に近い鶏肉の料理が紹介されることがあります。
鶏肉には、カンピロバクターという菌がいます。
カンピロバクターによる食中毒は、近年、日本で発生している食中毒の中で、発生件数が最も多い食中毒の一つです。
主な症状は、下痢、腹痛、発熱、頭痛、全身倦怠感等で、時におう吐や血便等もみられます。また、希に合併症として、ギラン・バレー症候群(急激に手足の筋力が低下し、症状が進行する末梢性の多発性神経炎)等を起こすことがあります。

「新鮮だから生でも大丈夫だろう」「鶏の専門店だから大丈夫」と考えるのは危険です。
鶏肉はしっかり加熱するなど、カンピロバクター食中毒を予防するためのポイントを確認して、食中毒の予防に取り組みましょう。

【カンピロバクター食中毒を防ぐ方法】
・カンピロバクターは「75℃以上で1分間以上の加熱」で死滅します。中心部の色が変わっただけでは加熱終了を判断できません。170℃の油で揚げる場合、厚さ15mmでは5分以上、厚さ10mmなら2.5分以上、しっかりと時間をかけて加熱してください。

・二次汚染を防止するために、①鶏肉等が他の食品と触れないように、調理器具や容器を分けて保存や調理を行う、②鶏肉等に触れた調理器具や食器はその都度十分に洗う、③鶏肉等に触れたらしっかりと手を洗ってから他の食品を取り扱う、④生肉は洗わないことが重要です。

(参考)
・加熱調理の科学的情報の解析及び画像の開発
http://www.fsc.go.jp/fsciis/survey/show/cho20210040001

・食品安全委員会 食品健康影響評価のためのリスクプロファイル
鶏肉等におけるCampylobacter jejuni/coli(改訂版)(令和3年6月改訂)
http://www.fsc.go.jp/risk_profile/index.data/210622CampylobacterRiskprofile.pdf

・厚生労働省 「カンピロバクター食中毒予防について(Q&A)」
https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/0000126281.html
・農林水産省 カンピロバクター(細菌) [Campylobacter jejuni, C. coli]
https://www.maff.go.jp/j/syouan/seisaku/foodpoisoning/f_encyclopedia/campylobacter.html