食品安全委員会は、鉛の健康影響について調査審議し、6月29日に評価結果を公表しました。
現時点では、疫学研究データを用いて、有害影響を及ぼさない血中鉛濃度を導き出すことは困難であると判断しました。現在の我が国における平均的な血中鉛濃度は、1μg/dL程度あるいはそれ以下と考えられ、疫学研究の結果から何らかの影響が示唆される血中鉛濃度1~2μg/dLと近いと考えられました。そのため、今後も鉛ばく露低減のための取組が必要であると判断しました。

図1のとおり、食事に由来する鉛の摂取量は、さまざまな取組により低くなってきています(詳しくはQ&A のQ6をご覧ください)。
現在の我が国における平均的な血中鉛濃度は、疫学研究の結果からなんらかの影響が示唆される濃度(1~2 µg/dL)に近いですが、これらの影響は大きな集団を観察し、統計学的に処理をしてようやく差が認められる程度のわずかなものです。血中鉛濃度が1~2 µg/dLを少し超えたからといって、個人レベルで影響がみられるということではありません(詳しくはQ&A のQ19をご覧ください)。

評価結果やQ&Aは、下記のページからご覧いただけます。

■「鉛」の評価書に関する情報
http://www.fsc.go.jp/osirase/lead_and_health_assessment.html


■「鉛」の評価書に関するQ&A
http://www.fsc.go.jp/osirase/lead_and_health_assessment_faq.html


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