新型コロナウイルス感染症の拡大予防のため、家庭で料理をする機会が依然多いことと思います

図中の写真は、鶏肉を手で押さえてまな板で切り、手指とまな板についていた細菌を24時間培養した後の寒天培地の写真です。白く見えるものは、食品の衛生状態を評価するための指標の一つである一般生菌で、食品の腐敗や変敗、食中毒を起こす細菌を含みます。

写真Aは手指についていた一般生菌を示しています。このような手で、生ものを切ったり、盛りつけた料理を触ったりすると、二次汚染につながる可能性があります。石けんを泡立てて洗い、よくすすぐと写真Bのようにきれいになります。

写真Cはまな板についていた一般細菌を示しています。また、写真DとEは、このまな板を、中性洗剤をつけたスポンジで洗い、流水ですすいだ後のまな板(D)とスポンジ(E)についていた一般生菌を示しており、スポンジでまな板を洗うだけでは細菌による汚染を増やす可能性があります。

一方、まな板にやかん一杯の熱湯をかけたら細菌はなくなりました(写真F)。これを室温で乾燥させてから再度細菌を調べたところ、乾燥前と変わらない結果でした。

食中毒予防の3原則は「つけない・ふやさない・やっつける」です。
料理の時は、食中毒の予防のため、せっけんで「手を洗う」、そして上記のような方法で「清潔な調理器具を使う」を励行し、細菌を「つけない」ようにしましょう。

次回は、「ふやさない(保存)」について紹介します。

(参考)
・食品安全委員会「消費者団体と食品安全委員会委員との情報交換会(第13回)」 (2016年10月14日)
資料2 冷蔵庫に入れれば大丈夫? ~食品の保存を理解する~
http://www.fsc.go.jp/fsciis/meetingMaterial/show/kai20161014ik1