「「健康食品」は長く飲み続けても安全だから、安心」という話をきいたことはありませんか。これは大きな誤解です。
「長生きしたい」などの長期の健康への効果を期待している場合、同じ「健康食品」をずっと摂り続けることがあります。
しかし、どんな食品も、同じものを長年取り続けても安全かどうかが、科学的に実証されているわけではありません。
 例えば、生理作用などのデータが蓄積されているビタミン・ミネラルであってもヒトが長期間に摂った場合の慢性的な毒性の有無については明らかになっていません。
過去には、抗酸化作用のあるビタミン類をサプリメントで多量に摂ることががん予防等に期待されていました。しかし、欧米人を対象とした複数の臨床試験の結果を、メタアナリシスという包括的に評価する方法で分析した結果、肺がんの高リスク集団がβカロテンのサプリメントを摂るとかえって肺がんのリスクが高まることが確認されました。また、ビタミンEのサプリメントには心血管疾患の予防効果はないこと、カルシウムサプリメントは骨折の減少に結びつかないであろうという結果も報告されました。

このように、「健康食品」を長く続けて摂った場合の「健康効果」は立証されていないこと、さらに長期摂取の「安全性」は、まだ正確にはわかっていないことが多いです。使っていて体調がよい場合は良いのですが、使い慣れているものでも体調が悪くなった場合には使用を中止して「健康食品」による体調変化かどうかを見極めましょう。



(参考)
・食品安全委員会 「健康食品」に関する情報
http://www.fsc.go.jp/osirase/kenkosyokuhin.html


・食品安全委員会 健康食品に関する危害情報について 
http://www.fsc.go.jp/kigai_jyoho/

・国立がん研究センター社会と健康研究センター予防研究グループ
 多目的(JPHC) コホート研究 https://epi.ncc.go.jp/jphc/

・大阪国際がんセンター
https://oici.jp/hospital/patient/eiyoukannr/tounyou_menu/ganyobou/