埼玉県で学校給食が原因と考えられるウエルシュ菌による食中毒事案が報告されています。

ウエルシュ菌は人や動物の腸管内、土壌、下水、食品又はちり・ほこりなど自然界に広く分布しています。酸素の少ないところで、広範囲の温度域(12~50℃)で増殖します。また、加熱調理しても芽胞(100℃で1~6時間加熱しても耐えることができる)の形で生き残り、その後の保温や冷却が不十分だった場合に増殖します。

症状としては、主に腹痛と下痢等で、ほとんどの場合、発症後 1~2 日で回復するとされていますが、基礎疾患のある患者、特に子供や高齢者ではまれに重症化することが知られています。

予防のポイントは、食材中の菌を増やさないことです。調理後は速やかに食べることが望ましいですが、やむをえず保管する際は、小分けして急速に冷却し、10℃以下で保存してください。温めなおす際は、かきまぜながら中心までしっかりと加熱してください。保温する場合はウエルシュ菌が増殖できない55℃以上を保ちましょう。

食品安全委員会では様々な食中毒について情報提供を行っています。ぜひ一度ご覧いただき、食中毒予防に努めてください。


(参考)
・埼玉県県政ニュース 報道発表資料「食中毒事件の発生について」
https://www.pref.saitama.lg.jp/a0001/news/page/2020/0225-06.html
・食品安全委員会 ファクトシート「ウエルシュ菌食中毒」
http://www.fsc.go.jp/factsheets/index.data/factsheets_clostridiumperfringens.pdf
・食品安全委員会 キッズボックス「食中毒を防ぐために~煮込み料理の場合」
http://www.fsc.go.jp/kids-box/index.data/202009_kidsbox.pdf