誰もが食品は安全なものであって欲しいと願っていますが、必ずしもそうではありません。食品となる動植物の中には、もともと健康に有害な物質が含まれていることもあり、適切な食べ方で食べなかったり、多量に食べすぎたりすると健康被害を起こすことがあります。
 人は生きていくために、有害物質を含んでいる食品であっても、加熱などの工夫をしながら食べてきました。さらに、20世紀末までの食品安全は、食品が食べる時点で有害でないように規制当局が監視監督することで、ヒトの健康障害が起こらないようにしてきました。
 しかしこれだけでは十分でないことが明らかになり、21世紀の食品安全は、科学に基づいてリスクアナリシスという国際的に共通な枠組にもとづくようになりました。平成15年に設立された食品安全委員会はリスク評価機関として、リスク管理機関である厚生労働省や農林水産省などからの諮問に応じて、これまでに800回にわたり委員会会合を開催し、食品の健康リスクを科学的に評価しています。
 農薬、動物用医薬品、添加物などは、一定のルールを設けて安全に使っていくためにリスク評価が必要とされます。また、これまで食べてこなかった食品や、新しい食べ方の食品の健康リスクも評価します。
 食品安全委員会はこれからも食品やそれに関連するものに由来する健康被害から国民の皆様を守ることを理念として活動していきます。