「薬剤耐性」という言葉を聞いたことはあるでしょうか?

 抗菌薬(細菌を殺したり増殖を抑えたりする薬)が効かなくなることを「薬剤耐性」といいます。抗菌薬が効かないので、いくら抗菌薬を投与しても感染症が治りません。本来であればすぐに治療できる病気が、長引いて、時には命を脅かすまでに深刻化してしまうのです。このように、薬剤耐性はヒトの感染症の効果的な治療と予防を妨げます。

 何も対策を取らなければ、2050年には全世界で10,000,000人の死者が薬剤耐性によって生じると経済協力開発機構(OECD)は試算しています。日本でも、年間8,000人以上死者が薬剤耐性によって生じていると報告されています。薬剤耐性は、世界保健機構(WHO)を中心に、国際社会が精力的に解決に向けて努力をしている課題の一つです。

 日本政府も長年、省庁の垣根を越えて一丸となってこの薬剤耐性と戦ってきました。食品安全委員会事務局も食品安全を確保する観点からその一端を担っています。

 毎年11月は、政府の行っている様々な薬剤耐性に関する取組をご紹介する月間です。
 食品安全委員会事務局も、これから全5回に分けて、薬剤耐性に関する取組についてご紹介します!

(画像の出展:国立研究開発法人国立国際医療研究センター病院AMR臨床リファレンスセンターホームページ)

○薬剤耐性(AMR)(内閣官房)
https://www.cas.go.jp/jp/seisaku/infection/activities/amr.html
○薬剤耐性菌の食品健康影響評価に関する情報
http://www.fsc.go.jp/senmon/sonota/amr_wg/amr_info.html