アニサキスによる食中毒が発生しています。3月に公表された「令和元年食中毒発生状況報告」(厚生労働省)によると、令和元年の事件数は328件で、去年より減少しているものの、1年を通して発生しているため、注意が必要です。
 ここではアニサキス症の予防のポイントをご紹介します。家庭での魚介調理の参考にしてください。

 アニサキスは寄生虫(線虫)の一種です。アニサキス幼虫は、アジ、イワシ、カツオ、サケ、サバ、サンマ、イカなどの海産魚介類に寄生していることがあります。寄生している海産魚介類を生(不十分な冷凍や加熱状態のを含む)で食べることにより、アニサキス幼虫が胃壁や腸壁に入り込み、みぞおちや下腹部の激しい痛みなどを引き起こします。

 予防のポイント(画像参照)
 ・自分で釣った場合などは、魚介類が新鮮なうちに速やかに内臓を除去し、十分に洗浄してください。また、魚の内臓を生で食べないでください。
 ・海産魚介類を生で食べるときは、目で見て虫体がいないことを確かめてください。
 ・アニサキス幼虫は60℃で1分加熱することで死滅します。また、冷凍処理により感染性を失うので、魚を-20℃以下で24時間以上冷凍することも有効です。

 なお、一般的な料理で使う程度の濃度の酢、醤油やわさびを付けてもアニサキス幼虫は死滅しません。

(参考)
・食品安全委員会 ファクトシート「アニサキス症」

http://www.fsc.go.jp/factsheets/index.data/factsheets_anisakidae.pdf
・厚生労働省 アニサキスによる食中毒を予防しましょう
https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/0000042953.html
・厚生労働省 令和元年食中毒発生状況等について(薬事・食品衛生審議会(食品衛生分科会食中毒部会))
https://www.mhlw.go.jp/stf/shingi/shingi-yakuji_127886.html