東京都内でウエルシュ菌による集団食中毒があり、100人を超える患者が出ました。原因食品は鶏肉の煮込み料理と推定されており、調理後9時間以上、常温に保管され、適切な温度管理がされていませんでした。

ウエルシュ菌による食中毒の原因食品は、カレー、シチューが代表的ですが、これに加えて煮込み料理(肉の煮込み料理、ロールキャベツ、肉じゃが等)、スープなど大量調理される食品が多く、給食、ケータリング料理、パーティー料理での発生事例が多く見られます。

ウエルシュ菌は耐熱性の芽胞を作る偏性嫌気性細菌です。大鍋で大量加熱調理された際に、他の細菌はほとんど死滅し、かつ酸素が追い出されます。その状態で常温に置かれ、冷却に時間がかかると、ウエルシュ菌の芽胞が発芽し、増殖しやすくなります。

ウエルシュ菌による食中毒を防止するためには、調理後すぐに食べるか、保管する場合は55℃以上を保つか、食品を小分けして冷却し、ウエルシュ菌が増殖しやすい20~50℃を速やかに通過させ、10℃以下に保存することが重要です。

<参考>
・ウエルシュ菌ファクトシート

http://www.fsc.go.jp/factsheets/#menu1

・東京都健康安全研究センター「くらしの健康(平成30年3月 第41号)」
http://www.tokyo-eiken.go.jp/files/archive/issue/kouhoushi/health/kurashinokenkou41_.pdf