ノロウイルスによる食中毒は、例年、冬季の発生が多く報告されていることから、今後注意が必要です。今月から4回にわたってノロウイルスによる食中毒について紹介します。今回は、食中毒の発生状況と症状についてとりあげます。

[発生状況]
厚生労働省の食中毒統計によると、ノロウイルスによる食中毒の発生事件数は、平成29年には214件、30年には256件が報告されています。年間を通して発生していますが、11月頃から増えはじめ、12月から翌年1月をピークとして発生する傾向があります。

[症状]
・汚染された食品を食べてから発症するまでの潜伏期間は24~48時間程度で、主に下痢、おう吐、発熱、及び腹痛が認められます。
・特におう吐は突然、強く起こることが特徴です。
・多くはこれらの症状が1~2週間程度で自然治癒し、後遺症はほとんどありません。
・感染しても発症しないケースもあります。
・乳幼児や高齢者等、抵抗力の弱いヒトでは重症化することもあります。
・症状が治まった後も通常では1週間程度、長いときには1ヶ月の間はウイルスを排出すると報告されています。

(参考)
・食品安全委員会 食品健康影響評価のためのリスクプロファイル

http://www.fsc.go.jp/risk_profile/index.data/181120NorovirusRiskprofile.pdf
・食品安全委員会 ノロウイルスによる食中毒にご注意ください
http://www.fsc.go.jp/sonota/e1_norovirus.html
・厚生労働省 食中毒統計
https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/kenkou_iryou/shokuhin/syokuchu/04.html#j4-2
・厚生労働省「冬は特にご注意ノロウイルス」
https://www.mhlw.go.jp/content/11130500/000549668.pdf