食品安全委員会は、妊娠を考えられている方や妊娠されている方と赤ちゃんに、健やかな生活を送っていただくために知っておいてほしい情報を発信しています。
 今回は乳児ボツリヌス症についてご紹介します。

 乳児ボツリヌス症は、ボツリヌス菌等が作る毒素によって神経麻痺性の中毒症状が起こるボツリヌス症の一つです。1歳未満の乳児は、腸内の細菌叢が成人と異なるため、腸内で菌が増えて毒素が作られると考えられています。乳児ボツリヌス症の発生原因は、食品としてハチミツが指摘されていますが、ハチミツを食べていない例(国内では井戸水)も報告されています。国内では、乳児ボツリヌス症が我が国で初めて確認された1986年から2017年までに36事例発生しており、うちハチミツが推定要因とされている事例は13例です。

 症状は、持続的な便秘(多くは3日以上)、活発さや哺乳力の低下、泣き声が弱くなる、等です。

 ボツリヌス菌は熱に強く、通常の加熱や調理では死にません。1歳未満の乳児にハチミツやハチミツ入りの食品を与えないようにしてください。また、ハチミツを摂取したかどうかにとらわれることなく、症状が合致する場合には、医師に相談してください。

(参考)
・食品安全委員会 ファクトシート「ボツリヌス症」

http://www.fsc.go.jp/factsheets/index.data/factsheets_10botulism.pdf

・厚生労働省 「ハチミツを与えるのは1歳を過ぎてから」
http://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/0000161461.html

・食品安全委員会 お母さんになるあなたへ
http://www.fsc.go.jp/index.data/okaasan20180614.pdf