先月は、カフェインが身体に与える影響をお伝えしました。カフェインは、適量であれば、頭がすっきりし、眠気を覚ます効果がありますが、多量に摂取すると、有害な影響が現れることがあります。今月は、カフェインが体の中でどのように働き、様々な影響を引き起こしているのかをご紹介します。

 カフェインは、身体の中で「アデノシン受容体」という物質の作用に関係します。
 アデノシンが結合したアデノシン受容体は、脳へのシグナル伝達に関わる重要な役割を担っています。アデノシンは、アデノシン受容体に結合することで、心拍数を下げるなど、身体をリラックスさせる作用をもたらします。
 カフェインは、このアデノシンと化学構造が似ており、本来アデノシンが結合するべきアデノシン受容体に結合し、鎮静化作用を阻害します(イメージ図)。その結果、覚醒状態が続くことになります。これが、カフェインを摂った際の「頭がスッキリする」作用です。
 しかし、摂りすぎると脳などの中枢神経系や消化器系に刺激を与えてしまい、めまい、心拍数の増加、興奮、不安、不眠などの症状が現れることがあります。重篤な場合は死亡することもあります。
 眠気を覚ます目的で、清涼飲料水やサプリメント等を飲むときは、カフェインの摂り過ぎに注意しましょう。

(参考)
食品安全委員会 ファクトシート「食品中のカフェイン」

http://www.fsc.go.jp/factsheets/index.data/factsheets_caffeine.pdf