毎年、腸管出血性大腸菌に汚染された食品を原因とした食中毒が発生しています。本菌による食中毒は重症化することがあるので注意が必要です。今回は原因食品についてお話しします。

本菌による食中毒は、食品を食べてから発症するまでの潜伏期間が比較的長い(1~14日)ことから、調査時にすでに原因食品が消費又は廃棄されていたり、食品中の菌が死滅したりしている場合が多くあります。そのため、原因食品が推定となる場合が多くあります。
これまでに判明した原因食品には、牛肉、牛レバー刺し、ハンバーグ、牛角切りステーキ、牛タタキ、ローストビーフ、ユッケ、シカ肉、サラダ、貝割れ大根、キャベツ、メロン、白菜漬け、日本そば、シーフードソース、冷やしきゅうり、きゅうりのあえもの、井戸水等があります。
牛肉や牛レバーを生や加熱不足で食べたために発症する例が多いですが、肉についた菌が野菜や果物など他の食品に付着し、それを喫食したため感染することもあります。消毒不十分な井戸水から感染した例もあります。

次回は食中毒の予防法を紹介します。

(参考)
食品安全委員会 微生物・ウイルス評価書 生食用食肉(牛肉)における腸管出血性大腸菌及びサルモネラ属菌

http://www.fsc.go.jp/fsciis/evaluationDocument/show/kya20110711108
食品安全委員会 【読み物版】生活の中の食品安全−腸管出血性大腸菌による食中毒について−その1 平成30年5月11日配信
http://www.fsc.go.jp/e-mailmagazine/mailmagazine_h3005_r1.html
厚生労働省 腸管出血性大腸菌Q&A 
https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/0000177609.html