毎年、腸管出血性大腸菌に汚染された食品を原因とした食中毒が発生しています。本菌による食中毒は重症化することがあるので注意が必要です。本菌による食中毒は、肉や内臓をよく加熱することや、二次汚染に注意することで予防できます。食中毒にならないために、その特徴を正しく理解し、予防法を実践してください。

今回は、本菌の特徴についてご紹介いたします。
腸管出血性大腸菌は哺乳動物、鳥類の腸管内に生息しています。家畜の中では特に牛の腸管や糞便から多く検出されています。農林水産省の調査によると、約1割の肉牛が本菌を保菌していますが、牛が症状を呈することはありません。
2006年には本菌が付着した牛レバー刺しの喫食による食中毒事例の報告では、10個未満という少数の腸管出血性大腸菌で発症しています。
本菌によって牛肉や牛肉の内臓が汚染されている可能性があります。しかし、本菌は加熱、消毒処理に弱いので、食肉を調理する場合には十分に加熱してください。

参考
・食品安全委員会 微生物・ウイルス評価書 生食用食肉(牛肉)における腸管出血性大腸菌及びサルモネラ属菌

http://www.fsc.go.jp/fsciis/evaluationDocument/show/kya20110711108
・食品安全委員会 【読み物版】生活の中の食品安全−腸管出血性大腸菌による食中毒について−その1 平成30年5月11日配信
http://www.fsc.go.jp/e-mailmagazine/mailmagazine_h3005_r1.html
・食品安全委員会:食品健康影響評価のためのリスクプロファイル〜牛肉を主とする食肉中の腸管出血性大腸菌〜(改訂版)
http://www.fsc.go.jp/sonota/risk_profile/risk_ushi_o157.pdf
・農林水産省 牛肉の生産衛生管理ハンドブック(参考資料)第2版

http://www.maff.go.jp/j/syouan/seisaku/handbook/pdf/ushi-seisansha.pdf