本日は、⑦簡単に摂れる形態の「健康食品」に注意してください、というメッセージをご紹介します。

 

 近年は、錠剤、カプセル、粉末、顆粒といった様々な形態の「健康食品」(サプリメント)が販売されています。

 サプリメントは、普通の食品と違って味やにおいがなく、抽出や濃縮により「かさ」が減っているため、特定の成分を通常の食事からは摂れないほど多量に簡単に摂ることができます。しかし、食経験を超えた多量の継続摂取は安全性が確認されていません。摂取の必要性や、成分の含有量をよく確認することが必要です。

 

 サプリメントとして流通している「健康食品」(※1)には、ビタミン・ミネラルを含むものが多数ありますが、過剰摂取による健康被害が報告されています。

 日本では、既往歴のない女性が、乳酸カルシウム、アスコルビン酸(1日6,000 mg※2)、ビタミンDのサプリメント、便秘薬を長期間摂り、尿細管閉塞や狭窄等の石灰化を伴う重症な近位尿細管機能不全を起こしたという報告があります(参考1)。

 

 次回は、ビタミンやミネラルのサプリメントについて気をつけたいことをお伝えします。

 

※1「健康食品」には定まった法律上の定義はありません。

食品安全委員会からの「19のメッセージ」では、「健康の維持・増進に特別に役立つことをうたって販売されたり、そのような効果を期待して摂られている食品」を「健康食品」としています。

 

※2厚生労働省の「日本人の食事摂取基準」(2015年版)(https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/kenkou_iryou/kenkou/eiyou/syokuji_kijyun.html)によると、30~49歳女性におけるアスコルビン酸(ビタミンC)の推奨量は100 mg/日です。

 

(参考)

1.Supplement nephropathy due to long-term, high-dose ingestion of ascorbic acid, calcium lactate, vitamin D and laxatives. Clin Nephrol 2005;64(3):236-240.

http://www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/16175950

 

2.食品安全委員会 「健康食品」に関する情報

http://www.fsc.go.jp/osirase/kenkosyokuhin.html

 

3.国立研究開発法人医薬基盤・健康・栄養研究所 「健康食品」の安全性・有効性情報

http://hfnet.nibiohn.go.jp/

(2019年5月24日公表)国内外で注意喚起された健康食品による健康被害の特徴 (Ver.190524) 

http://hfnet.nibiohn.go.jp/contents/detail3970.html