食品安全委員会は、妊娠を考えられている方や妊娠されている方と赤ちゃんに、健やかな生活を送っていただくために知っておいてほしい情報を発信しています。
 今回は、葉酸の摂取についてご紹介します。

 葉酸は、水溶性ビタミンであるB群ビタミンの一つで、造血に作用します。葉酸が不足すると、赤ちゃんの神経管閉鎖障害(*)の発症リスクが高まるといわれています。このリスクを減らすためには、妊娠前から妊娠初期に葉酸を十分に摂取することが重要です。

 「日本人の食事摂取基準」(2015年度版、厚労省)(参考1)によると、葉酸について、妊娠を計画している方や妊娠の可能性がある方は、神経管閉鎖障害のリスクの低減のために、付加的に1日0.4 mgを摂取することが望まれるとしています。

 葉酸は、ほうれん草、ブロッコリー、アスパラガスなどの緑黄色野菜や、いちご、アボカド等の果物類、納豆やひよこ豆などの豆類等に多く含まれています。日頃からこうした食品を多くとるように心がけましょう。一つの食品にかたよることなく、色々な食品をバランスよくとることも大切です。
 サプリメント等で葉酸を摂る場合は過剰摂取につながりやすく、葉酸の摂りすぎはビタミンB
12欠乏の診断を困難にするため、注意してください。

*神経管閉鎖障害とは
 妊娠初期に、赤ちゃんの脳や脊髄のもととなる神経管と呼ばれる部分がうまく形成されないことによって起こる神経の障害です。葉酸不足の他、遺伝などを含めた多くの要因が複合して発症するものです。

(参考)
1.厚生労働省 日本人の食事摂取基準

http://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/kenkou_iryou/kenkou/eiyou/syokuji_kijyun.html

2.食品安全委員会 「特定保健用食品評価書 ピュアカム葉酸 ピュアカム葉酸MV」
http://www.fsc.go.jp/fsciis/evaluationDocument/show/kya20100215001

3.食品安全委員会 お母さんになるあなたへ
http://www.fsc.go.jp/index.data/okaasan20180614.pdf