「レバ刺しはどうして食べてはいけないのでしょうか?」とのご質問をお寄せいただくことがあります。

 それは、牛の肝臓には、腸管出血性大腸菌がいることがあるからです。この腸管出血性大腸菌による食中毒は、わずか2~9個の菌で食中毒を発症し、重症化すると、溶血性尿毒症症候群(HUS)※や脳の炎症を併発し、最悪の場合、死に至ることがあります。牛レバーを生で食べることは、食中毒を避けられないため、とても危険なのです。

 厚生労働省は、平成24年7月から、牛のレバーを生食用として販売・提供することを禁止しています。

 

 では、牛レバーはどのように食べればよいのでしょうか。

 牛レバーは、よく加熱して食べることが大切です。中心部の色が変わるまでしっかりと火を通してください(75℃で1分以上が目安です)。

 また、生レバーや生肉を扱った調理器具は、よく洗った後に熱湯で十分に殺菌し、ほかの調理器具とは使い分けるようにしてください。

 

 外食などで牛レバーを食べるときには、きちんと中心まで色が変わっているか確認してから口に入れましょう。串焼きなど、焼けているように見えても、串の周りが赤いままのことがあるので注意が必要です。

 

※ 溶血性尿毒症症候群(HUS)
溶血性貧血、血小板減少、急性腎不全を特徴とする症候群で、腸管出血性大腸菌感染症に引き続いて発症することが多く見られる。

 

(参考)

・食品安全委員会 評価書「生食用食肉(牛肉)における腸管出血性大腸菌及びサルモネラ属菌」

http://www.fsc.go.jp/fsciis/evaluationDocument/show/kya20110711108

・食品安全委員会 季刊誌「食品安全」vol.31 P6

http://www.fsc.go.jp/sonota/kikansi/31gou/31gou_6.pdf

・厚生労働省「牛レバーを生食するのは、やめましょう(「レバ刺し」等)

http://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/kenkou_iryou/shokuhin/syouhisya/110720/