本日は、⑧ビタミンやミネラルのサプリメントによる過剰摂取のリスクに注意してください、というメッセージの第3弾です。

 サプリメントの宣伝の中には、「日本人の食事摂取基準」の「推奨量」や「推定平均必要量」などの数値を挙げて、今のあなたの食事では栄養が不足しているから、サプリメントを摂らないといけないと言っているものもあります。

 

 「日本人の食事摂取基準」は、厚生労働省が、国民の健康の保持・増進を図る上で摂取することが望ましいエネルギー及び栄養素の量の基準を定めているものです。

 ただし、栄養素の必要量には個人差があります。ある栄養素の摂取量が「推定平均必要量」に満たないからといって、みなさんが健康障害に結び付くような栄養不足の状態にあるわけではありません。そもそも、自分がどれだけビタミン・ミネラルを摂っていて、どれだけそれが吸収されているかを計算するのは難しいです。

 

 確かに、鉄欠乏による貧血などミネラルの不足による健康障害は現在でもあります。しかし、例えば貧血の方が、自己判断で鉄のサプリメントを摂った場合、一見効果があるように見えても、鉄欠乏の原因となっている病気(大腸がんや子宮がんなど)を見逃してしまう危険性もあるのです。

 

 3回にわたってビタミンやミネラルのサプリメントについてご説明してきましたが、みなさんには、次のことを忘れないでほしいと思います。

・ビタミン・ミネラルのサプリメントは過剰摂取のリスクがあります

・自己判断で安易に摂らないで、専門家に相談するなど、慎重に判断してください

 

(参考)

・食品安全委員会 「健康食品」に関する情報

http://www.fsc.go.jp/osirase/kenkosyokuhin.html

 

・厚生労働省 日本人の食事摂取基準

http://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/kenkou_iryou/kenkou/eiyou/syokuji_kijyun.html