カンピロバクターによる食中毒は、近年、日本で発生している食中毒の中で、発生件数が最も多い食中毒の一つです。夏場を中心に発生のピークがみられますが、一年を通じて発生しています。

 

今回(3回目)は、カンピロバクターによる食中毒の症状についてご紹介します。

 

●カンピロバクターによる食中毒の症状

カンピロバクターに汚染された食品を食べてから発症するまでの潜伏期間は1~7日(平均3日)であり、他の食中毒に比べて長いことが特徴です。

主な症状は、下痢、腹痛、発熱、頭痛、全身倦怠感等の症状が認められ、ときにおう吐や血便等もみられます。下痢は1 日4~12 回にもおよび、便性は水様性、泥状で膿、粘液、血液を混ずることも少なくありません。国内の食中毒統計では、死亡した人はいませんが、海外では、割合は少ないものの、カンピロバクター感染症による死亡例が、高齢者、子ども、免疫力の低下した方で報告されています。また、合併症として、ギラン・バレー症候群(手足の筋力が低下し、呼吸麻痺や顔面神経麻痺などを起こし、症状が進行すると完全四肢麻痺や死に至ることもあります)等を起こすことがあります。

 

●カンピロバクター食中毒を防ぐポイント

(1)十分な加熱

カンピロバクターは熱に弱く、「75℃以上で1分間以上の加熱」で死滅します。食肉を調理する際には、中心部の色が変わるまで十分に加熱を行なってください。

(2)二次汚染の防止

二次汚染を防止するために、

①鶏肉等が他の食品と触れないように、調理器具や容器を分けて保存や調理を行う、

②鶏肉等に触れたらしっかりと手を洗ってから他の食品を取り扱う、

③生肉は洗わない(肉に付着しているカンピロバクターが水を介して飛び散り、他の食品や調理器具に移り汚染される恐れがあるため)、

④鶏肉等に触れた調理器具や食器はその都度十分に洗う

ことが重要です。

 

 

(参考)

・食品安全委員会 食品健康影響評価のためのリスクプロファイル

~ 鶏肉等におけるカンピロバクター・ジェジュニ/コリ ~

【全体版】

http://www.fsc.go.jp/risk_profile/index.data/180508CampylobacterRiskprofile.pdf

【概要版】

http://www.fsc.go.jp/risk_profile/index.data/180508GaiyouCamRiskprofile.pdf

 

・厚生労働省 「カンピロバクター食中毒予防について(Q&A)」

http://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/0000126281.html

 

・農林水産省 カンピロバクター(細菌) [Campylobacter jejuni, C. coli]

http://www.maff.go.jp/j/syouan/seisaku/foodpoisoning/f_encyclopedia/campylobacter.html

・農林水産省ウェブサイト カンピロバクター(細菌) [Campylobacter jejuni, C. coli]
http://www.maff.go.jp/…/f…/f_encyclopedia/campylobacter.html