食品安全委員会は、月に1回、季節に応じた食中毒の特徴や対策を紹介しています。

 今回は、豚の肉やレバーなどの内臓(以下、豚肉等)の不十分な加熱が原因で起こる食中毒についてご紹介します。アウトドアを楽しむ機会が増える今の時期、野外でバーベキューをしたり、自宅で焼肉をしたりするなど、自分でお肉を焼きながら食べる機会も増えるのではないでしょうか。そこで、豚肉等の不十分な加熱による食中毒を防ぎ、安全に食べるためのポイントを紹介します。 

  1. 豚肉等はなぜ十分に加熱しないとだめなの?

 豚肉等には、食中毒を起こす細菌(サルモネラ属菌、カンピロバクター・ジェジュニ/コリなど)や寄生虫(トキソプラズマ、有鉤条虫、旋毛虫など)が付着している可能性があります。また、ウイルス(E型肝炎ウイルス)が付着している可能性もあります。新鮮なものでもリスクは変わりません。

 食中毒の症状は原因となった細菌などの種類によって異なりますが、多くの場合は腹痛、嘔吐、下痢、発熱などの症状が出ます。E型肝炎ウイルスに感染すると、重篤な肝障害を起こす可能性もあります。また、トキソプラズマ症は、妊婦においては流産や胎児への影響(水頭症など)がおこる可能性があります。子どもや妊婦、お年寄り、病気で体が弱っている人などは、食中毒などの症状が重くなりやすく、時には命にかかわることもあるので、特に注意が必要です。

 ※平成27年6月から食品衛生法に基づいて、豚の肉や内臓を生食用として販売・提供することが禁止されています。

 

 どうすれば食中毒を防ぐことが出来るの?

つけない!

  生の豚肉等にさわったら、手をよく洗ってください。また、生の豚肉等と他 の食材(野菜、果物など)が触れないようにしてください。

増やさない!

 豚肉等は、細菌が増殖しないよう低温保存(10℃以下)してください

やっつける!

細菌・ウイルス・寄生虫は加熱により死滅・不活化しますので、豚肉等は、中心部まで十分に加熱(75度以上1分以上)してください。

 

(参考)

・食品安全委員会 

豚肉や豚の内臓(レバーなど)による食中毒などにご注意ください

http://www.fsc.go.jp/sonota/namabutaniku.html

豚の食肉の生食に係る食品健康影響評価

http://www.fsc.go.jp/fsciis/attachedFile/download?retrievalId=kya20140910231&fileId=201

 

・政府広報オンライン

ご注意ください!お肉の生食・加熱不足による食中毒

http://www.gov-online.go.jp/useful/article/201005/4.html

 

・厚生労働省

豚のお肉や内臓を生食するのは、やめましょう

http://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/kenkou_iryou/shokuhin/syouhisya/121004/index.html